コンポーザーのAyaseとボーカルのikuraによる「小説を音楽にするユニット」として若い世代を中心に人気を集める「YOASOBI」。彼らの楽曲「たぶん」の原作となった、しなのによる同名小説を原案に、3組の男女の物語を紡いだオリジナルストーリー。別れたササノが部屋を整理しに帰ってきた物音で目が覚めたカノン。同棲を始めたときは、将来ずっと変わらないと思っていた2人だったが、些細なことで徐々に小さなズレを感じるようになり、結果として別れを選んだ。大学はオンライン授業になり、就職活動を控える中で将来に不安を抱えるカノンに対し、ササノは楽観的だった。カノンはどうしてこうなってしまったのか、その理由に思いをはせるが……。「ササノとカノン」のほか、「川野と江口」「クロとナリ」という3つのストーリーで構成。監督は「古都」のYuki Saito。出演は「真進戦隊キラメイジャー」の木原瑠生、「アルプススタンドのはしの方」の小野莉奈ほか。
たぶんコメント(1)
私が、基になった小説を読んだ事が有るYOASOBIさんの楽曲は四曲なんですけど、楽曲を先に知っても、小説を先に知っても、楽曲が小説をしっかり彩っている様に感じるんです。
Ayaseさんの曲作りの才能は凄いと思いますし、幾田りらさんの可愛らしいくて包み込む様な歌声と、どんな世界観にも合わせる表現力も素敵なんですよね。
それでですね、YOASOBIさんの楽曲のMVってアニメーションなんですよね、アニメーションも良いけど実写でも見てみたいなと思っていたんですよ。
そしたら、『たぶん』が映画化されたって言うじゃないですか、これYOASOBIさんの楽曲の初実写化じゃないかな。多分。
当然、期待してしまいましたよ。
それで、『たぶん』なんですが、私は小説を先に読んでから曲を聴いたんです。
小説は、恋愛の終わりと言うより、終わりを再認識させられた日を抜き取った物語なんですよね。
そして、登場人物の背景は描かれてない、性別すら分からないくらい。
なので想像になるんだけど、主人公は社会人かなと思ったの。
恋愛の終わりの匂いを感じとれる位の経験が有って、終わりの理由を明確にする事が意味の無い事だと気付いてる年齢かなと。
それと、起こっている事象の重さと主人公から感じる軽さの妙なアンバランスさも、社会人ぽいなと感じたんですよね。
それでもって楽曲は、もう少し幅広い世代に対応しながらも、その辺の雰囲気をしっかり感じるんですよ。
それで、この映画なんですけど、なんかしっくり来ないんですよね。
ササノとカノンの部分が楽曲をなぞっているんだけど、何かズレを感じるんです、上手に説明できないけど。
私が鑑賞前にイメージを作り過ぎたんだと思います、もう少しフラットな状態で観たら感想が変わったかも。
あと、クロとナリは思い切って『ハルジオン』の設定に寄せちゃえば良かったんじゃないかなと思ったり。
それから、川野と江口は他の二つのストーリーとの間に大きな溝を感じちゃいました。何かこれだけ別の世界観の様な。
楽曲をモチーフにした映画だと、その曲が頭の中で流れて来た時に、映画のシーンが甦って来る事が有るんですが、この映画の場合は無いかな・・・。
最後に、YOASOBIの幾田さんと小野莉奈さん、誕生日に曲を贈っちゃう位の仲良しみたいですが(新聞情報)、小野さんなら『夜に駆ける』の死神や、『あの夢をなぞって』の幼なじみや、『ハルジオン』の私も演じられそうだなと思いました。