ベテラン俳優の渡辺いっけいが映画初主演を務め、引きこもりの青年と父親の関係を描いた人間ドラマ。「劇団チキンハート」主宰の俳優・遠山雄が、自身の知人をモデルに、実話をもとに生み出した物語で、遠山自身がモデルとなった知人にあたる引きこもりの青年・進一役で出演。渡辺はその父親である広志を演じる。30年前、進一の父・広志は妻の加代子が出産中に、加代子の実家に盗みに入り、進一の叔父にあたる牧師の源一郎にとがめられ、悪魔として村を追い出された。そして30年が過ぎた現在、母に甘やかされて育った進一は、どんな仕事も長続きせず、ひとりでは何もできない男になっていた。そんなある日、村で連続空き巣事件が起こり、村の人々から悪魔の子である進一が犯人だと決めつけられてしまうが……。
いつくしみふかきコメント(20)
舞台挨拶で監督さんが、敢えて見る方には負荷になる様な、分かりにくい作品になっていると言われ、構えて観ましたが内容自体は素直に受け入れることはでき、それでも一回では完全な理解は出来ず、2回目を観ることになりました。
暴力描写が遠慮なく展開されるので、目を背けたくなる場面も有りましたが、そのシーンの中でも、スクリーンの中の登場人物が目を背けて恐怖に耐えているのを見た時、例えようの無い現実味を感じました。
それでも見終わった時に感じるなんとも言えない、大きな愛のようなものが、月並みですがとても愛おしく、人の儚さを覚えました。
それほど映画館で映画を見ない方でしたが、これからは、映画館で映画を見たくなる。そんなきっかけももらえた映画でした。
いろいろな賞も取っているようですが、それ以上に自分の糧になると感じました。
ありがとうと言いたい映画です。
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序盤はかなり暗いし田舎のコミュニティーの閉鎖感がよく出ててずっと不穏なんだけど、中盤らへんから意外とコメディっぽくなったりする。私はあの田舎のカルト的な雰囲気好きだったからちょっと残念。
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田舎って世界が狭いから価値観も考え方も狭いし、大してすごくもない人が偉そうにしてたり。私は基本田舎は嫌いなので、田舎っていいところだぞ〜みたいなぬるい映画より、田舎の息苦しさみたいなものを描いてる映画のが好きだから良かった。
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だから息子が叔父さんからこの村を出てけと何回も脅されてるシーンとか、絶対こんなところいるよりもっと広い世界に出た方が良いよ!って思った。叔父さんも息子もそんな狭いところにしがみついてて馬鹿らしかった。
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映画自体はこの田舎の話がメインじゃなくて父と息子の話で、最後にポスターのこの2人が風呂に入ってるようなシーンが出てくるんだけど、このシーンが超絶エモいシーンだとは思ってなかった。
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この映画の舞台は長野だったけど、ちょいちょい名古屋弁に似てる雰囲気の方言が出てきて懐かしかった。おばあちゃんとか使ってたな〜みたいな。
悪いんだけど息子や息子のような気持ちで男を慕っていた舎弟の気持ちを考えると、ここでも、あそこでも変われたじゃないかと、何度も期待して裏切られる。
見ていた時の自分は多分金田さん演じる神父さんと同じような気持ちで見守っていたかもしれない。
見てしばらくして、まだ未消化な部分がたくさんあることに気付いたりして…。
2度3度見るといろいろみえてくるのかな?
衝撃でした。
出てくる人、出てくる人みんな傷つけられてて、長い時間をかけて傷を膿ませてる。
ジュクジュクに膿みきった傷をえぐり合う。
きれいごとだけでは描けない姿がよりリアルに心に突きつけられる。
俳優さんたちの演技がまた良かった。
日常のリアルさの中に少し匂わせる狂気。
柔らかい方言から滲み出る隠しきれない怨み、狂気。そして苦しみ。
でもギリギリの所でコミカルで本当バランスが素晴らしいな…と。
タテタカコさんの曲がいい。前を向いた主人公の背中をそっと押してくれる感じ。
作り手さんたちの創りたい物が溢れるくらい詰め込まれた映画でした。
一度観ただけでは受け止めきれません。
また観に行きます!