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REBEL MOON パート1 炎の子コメント(20)
『優しさは美徳死を賭す価値があると信じる』
『大義のために戦う』って正に今の戦いのためのナショナリズムを煽っているように感じる。
まともに聞いては駄目である。
トルメキア軍の登場とそっくり。
しかし、この映画は勧善懲悪そのもの。
ナウシカのトルメキアは勧善懲悪とは言えない。その観点からナウシカの凄さが分かる。一方、この映画は昔からの伝統の『スペースオベラ』と思っていたら『七人の侍』をリスペクトしていると後から知る。つまり、当該映画はその前編。
『サイボーグ009』や『幻魔大戦』見たくなれば良いが。
個人的に気持ちが悪いのは、西洋人の男ってなんで髭面が多いのだろう?
最後は大和の最期みたいだ。
既出感のある物語なので、とても分かりやすい。
というか…この手の話はどうしたって似てくるものなのだろうと思う。それ程までに七人の侍もSWも脚本プロットとして優秀なのであろう。
未だに色褪せない。
そうなればディテールを楽しむのが正解なのだろうと思う。
今作のヒロインは野生味溢れる女性であり、なかなかに魅力的だし、魅力的な過去もありそうだ。
帝国の一族が暗殺されるってエピソードがあり、おそらくなら彼女がその暗殺者のような気もする。
そんな彼女が、名もなき村の善良な人々の為に立ち上がる。
帝国に因縁のある歴戦の勇士を集めるって寸法だ。
物語の大半はその仲間の紹介で埋まる。
モンスターと意思疎通が出来る元王子
二刀を使う剣士
天才戦略家の元将軍
反乱軍のリーダー
魅惑のラインナップなのである。
9週間後の決戦で幕かなぁと思いきや、裏切り者がいて、彼女が仲間を集める=賞金首を一網打尽みたいな策略で、故郷に戻る前に決着がつく。
ラス殺陣も面白かったけど、アクションは全般的に凝った作りでHSがいい味出してた。
次作は本土決戦になるのかな?
というか…主人公の正体が知られてしまったのなら、物量と火力に物を言わせて圧勝できそうなもんだが。なんかカラクリを用意してくれるのかしら?
自立型AIも全然活躍してないし、隠し球はふんだんに用意されてるのかもしれず楽しみだ。
制圧隊の提督がめちゃくちゃお気に入りだ。
柔らかな物腰に残忍な性格。目線の芝居とか上手いなぁと思う。今作のラスボスだったから死んでしまうのだけれど…帝国に蘇生されたから、次回も楽しませてもらえるのだろうとワクワク。
久方ぶりのスペースオペラ。
SWに慣れ親しんだ世代なら疼くと思われる。
ただSWと違うのはベースが七人の侍ってところかしら。おそらく戦闘機が活躍するよりはボディアクションが主であり、帝国を倒すって事までにはならないのだと思われる。
モンスター、ロボット、ライトセイバー?、となんでもありでおもしろい。
そもそも、ドーン・オブ・ザ・デッド、300(スリーハンドレッド)、ウォッチメン、エンジェルウォーズ等、ザックの初期作品は結構好きだったことを考えると、自分自身がザック・スナイダーファンなんだということを改めて自覚している。
それにしても、本作はまさに「七人の侍」そのものだった。それこそ洋風リメイクを思わせる作品構造だったが、まあこのあたりは欧米人にとって西部劇とセットでバイブル的存在と言っても過言ではないだろうと思う。
また、今回も既視感がどうだの、物語が淡白だの、色々評価が割れているが、まあこんなの気にしない。
少なくとも、スター・ウォーズ/最後のジェダイ(EP8)や/スカイウォーカーの夜明け(EP9)よりはサクサク観れて面白かった!
既視感のあるいろんな要素が集まっているが画から潤沢な予算は伝わってきた。
が、なぜかときめかない。
傑物が出てくるところはいちばんときめかなけりゃならないと思う。アベンジャーズなどマーベルやDCではヒーローが出てくるたびにわくわく感がある。七人の侍で言うなら志村喬と木村功が凄腕の剣客久蔵(宮口精二)に会うところだ。
様々な事情で世間からつまはじきにされた108人の英雄が梁山泊に集まってくる(水滸伝)──というような英傑の登場は物語の導入上いちばん感興を集約するところであってほしいが、レベルムーンパート1には、そのときめきがなかった。(ように思う。)
配役はそれぞれ適合していると思う。ペ・ドゥナなのは、寡黙な剣士を配置したかったからだろうし、ほかのマッチョたちもアウトラインに符合している。が、なぜか立ってこない。
よく知らない俳優だからってことでもなく、たとえばかつてSerenity(2005)を見たとき、当時は全員知らない俳優だったのに異様な興奮があったのを思えば、かならずしも俳優の知名度がときめきを生成するわけじゃない。
けっきょくこのパート1でもっとも名を上げたのは冷酷な提督アティカスを演じたEd Skreinだったと思う。他の映画でも悪役履歴があり、ふてぶてしさが観衆の処罰感情を燃やし適任だった。
この映画のダイナミズムの抽出方法は新旧テクノロジーの混在であろうと思う。
飛び道具のなかに剣が出てくる。ウォーと叫びながら槍(のごときもの)を持って玉砕する同監督の過去作300(2007)のようなシーンもある。宿敵とヒロインの戦いでは徒手空拳になる。
一般に銃の戦いは一発で終わるので、劇的にするために旧弊な白兵戦をもってくるのは映画の常套手段でもありオマージュでもある。
『Rebel Moonは、黒澤明の作品、スター・ウォーズ映画、(SF及びファンタジー雑誌の)ヘビーメタルマガジンにインスパイアされており、ロゴは後者へのオマージュである。』
(Wikipedeia、Rebel Moonより)
ただ寡兵や旧弊なテクノロジーをつかって巨悪に立ち向かうのが絵になるには、演者へのときめきが必要だ。
たとえばSWローグワン(2016)における白眉は、盲目のジェダイ、チアルート(ドニーイェン)の杖による大立ち回りだった。
あの種のわくわく感がこの序章には欠如している。いろいろな意味で前途多難だと思った。
過不足のない商業作品だとも思うが、こういった世界観に慣れた観衆や批評家には苦戦していて、じぶんもあまり乗れなかった。
Imdb5.7、RottenTomatoes24%と60%。
ちなみにクレジットに麗しのジェナマローンがいて、どこに出ていたのか気づかなかったが概説を見たら蜘蛛だった。むだづかいだと思うがどうだろう。