ウォルト・ディズニー・カンパニーの創立100周年を記念して製作された、ディズニーの長編アニメーション。新たなディズニー・ヒロインのアーシャを主人公に、魔法の王国の真実を知ってしまった彼女が起こす奇跡を描いたファンタジーミュージカル。どんな願いもかなうと言われているロサス王国。魔法を操り国を治めるマグニフィコ王は、国民から慕われているが、お城で働く17歳のアーシャは、ある秘密を知ってしまう。それは、人々の願いがかなうかどうかを王が決めていること、王は国のためになる願いだけをかなえており、国民が王を信じてささげた願いのほとんどはかなえられることがないということだった。王国の秘密を知ってしまったアーシャは、王を信じて託した人々の願いを救いたいと、夜空の星に祈る。すると、空から魔法の力をもった願い星のスターが舞い降りてくる。スターの魔法によって話すことができるようになった子ヤギのバレンティノやスターとともに、アーシャはみんなの願いのために奮闘する。監督は「アナと雪の女王」シリーズのクリス・バックと、「アナと雪の女王」や「ズートピア」などでストーリーアーティストを担当したファウン・ビーラスンソーン。脚本はクリス・バックとともに「アナと雪の女王」を手がけた、ディズニー・アニメーション・スタジオのクリエイティブ・オフィサーでもあるジェニファー・リー。音楽は、ジャスティン・ビーバーやエド・シーランにも楽曲を提供しているソングライター兼アーティストのジュリア・マイケルズ。「ウエスト・サイド・ストーリー」でアカデミー助演女優賞を受賞したアリアナ・デボーズがアーシャ役の声優を務めた。日本語吹き替え版では、映画やドラマはもちろんミュージカル舞台でも活躍する生田絵梨花がアーシャ役を担当。
ウィッシュコメント(20)
率直な感想としては、今ひとつだったかなといったところ。
決してつまらない訳ではないんだけど、絶賛するほどでもないといった感じ。
まず大きかったのは、登場人物達に魅力をあまり感じなかった事。主役のアーシャは良かったが、王を含め、仲間達をもう少し深堀りしてくれないと、感情移入できない。マスコット的キャラのスターも任天堂のゲームで見たことあるようなデザインでイマイチ魅力薄でした。
2つ目に世界観が狭すぎる。
舞台が城内、城下町が主で冒険的要素はゼロ。
そのせいか、作品としてどうも地味な印象です。
3つ目は「願い」というテーマ。
分かりやすいんだけど、あまりにメッセージがストレートすぎて、素直にハマれませんでした。
でも、ミュージカルパートなんかはディズニーらしさ全開で良かったです。特にテーマソングのウィッシュ〜この願い〜は最高でした!
エンドロールで過去のディズニー作品のキャラクターが時系列で登場する演出もとても良かったです。
そういった面では、ある意味本編よりも短編の「ワンス・アポン・ア・スタジオ -100年の思い出-」の方が100周年といった感じでグッときましたね☺
そんな万全態勢での本作はそれに答えたかと言えば、力不足は否めません。信頼していた国王の本性が暴露され、主人公アーシャの活躍により国民がやっと目覚めるお話で、サイドストーリーもなくストレートに単純極まりない。なにしろアーシャがプリンセスでもなく恋もしないのですから、トキメキが皆無なんてディズニーじゃない、時代の要請に従ったのでしょうけれど。冒頭語られる通り、どんな移民も拒まず、この王国では人種のミックスは完璧に配慮されてます。後から非難されるより文句の出ない忖度が優先とばかり、やり難い世の中なのは確かでしょうけれど。
主題曲ウィッシュ~この願い~はディスニーによる大金投じた大宣伝により否応なく耳に入ってきており、違和感なく感動を呼び覚ますレベル。ですが、他のナンバーが際立つかと言えば、少々精彩を欠くのも確か。アラン・メンケンの後釜はそうそう簡単ではなさそうです。鑑賞したのは吹替版ですが、歌唱は問題ないどころか上出来ですね。しかもあの福山雅治がピタリのはまり役なのは確か。オリジナルもアーシャに「ウエストサイド・ストーリー」で見事オスカー獲得のアリアナ・ディボース、国王がなんとクリス・パインですよ! 福山もパインもイケメン・ハンサムと繰り返されるこの役にルックス的にも完璧で、歌唱もパーフェクト。
その他、躓く仔細を挙げたらキリがありませんが、暗いシーンばかり、スターのキャラがシンブル過ぎ、アーシャの仲間達のキャラがまるで立ってなく描き切れず、ならばもっと人数減らすべき。お爺ちゃんの願いって結局何? 何故アーシャだけがスターを呼び寄せられた? 彼女も魔法を習ったの? 国王の真実明かすの早すぎません? ラスト近く「顔がいい奴は信用ならん」って何? 逆に男三人がブサイクだから仲がいいなんて! 御妃が国王見限るのも簡単過ぎ、などなど。要は脚本の練り込みが圧倒的に不足でしょう。
信任を得ていた為政者が、実は国民の願いなんぞまるで無視。政権に寄与する者の願いだけを叶え、物申す願いはことごとく廃棄、政権にしがみつく事だけを考える。これってどこかの衰退国と一緒ですね。せめて本作のように国民が真実を知り立ち上がる事が出来ればいいのですが。これが私の「願い」ですね。
100周年というだけあって、最初のディズニースタジオにオールスターが揃う短編はファンにとってはとても胸アツ。
歌も音楽、作画も相変わらずのレベルの高さ!でも何か物足りない?そんな第一印象でした。
本編はディズニー作品へのオマージュに満ちていて、観ていて何か幸福感がある。心が洗われる気がする。確かにそうなんだけど。。
でも、天下のディズニーが100周年に作る映画、それだけなわけがない。1日モヤモヤして腹落ちしたのが、これは、今の世界へのメッセージではないかということ。特にロシアへの。
リーダーシップのある王様を最初は願いを叶えてくれる人として無邪気に信じていた国民たち。
でも実はささやかな願いすら「危険
思想」と見なす独裁者だった。
みんなの「願い(平和)」を実現するにはもう、独裁者は皆で倒すしかない!ということでは?と思ったのでした。考えすぎ?
でも、映画の作成は何年か前からスタートしてるだろうし、その頃のウクライナ侵攻への衝撃はすごかったから、あり得ないことではないのではないだろうか。
でも、政治的なメッセージはディズニーにそぐわない。
それで、ディズニー風にオブラートにアレンジしつつ、100年の作品にふさわしくしたのが本作なのでは。。と思ったのでした。
如何せんワーッと言葉で説明だけされて始まるので、「願いを預けると願いを忘れて気楽になる」というのが、我々の考えとしては?となるところ、当然気楽になるよね!というスタンスではじまり、あ、ここの国民はそんなにも気楽になって幸せなんだ!と染み込む前に主人公が「幸せなはずない!」と反抗するもんだから「知ってた」以外の反応できん。
そして主人公が王様もこの国も愛してるというのに秒で可笑しいやんって覚醒するんで、心変わりの早さについて行けんのよ。
なんか葛藤とかないんか。
お前この16?7?年間、この国に染まってて洗脳に近い状態だった(多分)のをなーにを急に考える力芽生えてんねん。
え、どうしよ~~王様に逆らって良いのかな?!願いを皆に返して良いのかな?!おじいちゃんもやめろ言ってるのにぃ?!とかならんのか。
あと王様が元々悪いやつだったんか善人が力を持ってしまったが故に歪んだのか分からん。お前をどういう目で見たら良いんだ。
王妃様ももう少し感情の揺らぎないんか。
そこに愛はあるんか。
あと急に歌うし急にポーズ決めるよね。
感情の高ぶりの表現としての唄ではなく台詞で構わんところ歌うよね。ビックリするわ。
あと急に説教いれてくるよね。
動物が喋ったらなんか食いもん寄越せって言うと思う。僕たちは皆同じ存在って言い出したらあまりに意識高いウサギ過ぎて今ごろ文明築いとる。
多分子供向けとか気にせず、もう少しえげつなくこの国の歪みを描き、感情の揺らぎを劇的に表現し、いかに強い気持ちでこの国や人々や人々の願いを主人公が救いたいと思っているのか、きちんと表現したら興味深い題材になったと思います。
そういう舞台で圧倒的ハッピーエンドで終わらせてくれるものって意外とない。
ディズニーでやるべき題材じゃなくなると言われればそこまでですが、じゃあ根本から変えーよという…
マイルド調理で響かないんじゃ意味ないですよ…
なんだかんだディズニー的クライマックスに弱い人間なので、終盤はホロリときました。
予告で流れてるメインテーマは良い曲だと思います。
あととにかく同時上映の短編が良い。
古参ディズニーファンは見るべき。
あの短編で120分やってくれよ。
いやもう5分でもありがたかったわ。
サンキューな…