皮膚を売った男 プロット

チュニジアの女性監督カウテール・ベン・ハニアが、「もしも生身の人間が芸術作品となり、売買の対象になったら」という設定のもと、移民・難民問題をめぐる偽善や現代アートに関する知的欺瞞を風刺し、理不尽な世界の在りようをユーモアたっぷりに描いた人間ドラマ。内戦の続くシリアから脱出し、難民となったサムは、現代アートの巨匠から驚くべき提案を受ける。それは、サム自身がアート作品になるというものだった。大金と自由を手に入れる代わりに背中にタトゥーを施し、「アート作品」なったサムは、高額で取引される身となる。売買され国境を越えたサムは、やがて恋人に会いに行くのだが……。第77回ベネチア国際映画祭のオリゾンティ部門男優賞受賞。第93回アカデミー国際長編映画賞ノミネート。

皮膚を売った男 オンライントレーラープレイ

皮膚を売った男 俳優

皮膚を売った男 写真

皮膚を売った男 Related

18歳のおとなたちオンラインで映画を見る
18歳のおとなたち
プロット  日本
03月01日 劇場で
アイアンクローオンラインで映画を見る
アイアンクロー
プロット  アメリカ
04月05日 劇場で
ザ・エクスチェンジオンラインで映画を見る
ザ・エクスチェンジ
プロット  ウクライナ
03月29日 劇場で
クラメルカガリオンラインで映画を見る
クラメルカガリ
プロット  日本
04月12日 劇場で
うさぎのおやこオンラインで映画を見る
うさぎのおやこ
プロット  日本
03月22日 劇場で
パリピ孔明 Road to Summer Soniaオンラインで映画を見る
パリピ孔明 Road to Summer Sonia
プロット  日本
03月01日 劇場で
ホビッツベイオンラインで映画を見る
ホビッツベイ
プロット  ニュージーランド
02月23日 劇場で
宮古島物語ふたたヴィラ 再会ぬ海オンラインで映画を見る
宮古島物語ふたたヴィラ 再会ぬ海
プロット  日本
03月01日 劇場で
あとがきオンラインで映画を見る
あとがき
プロット  日本
03月01日 劇場で
恐竜超伝説2 劇場版ダーウィンが来た!オンラインで映画を見る
恐竜超伝説2 劇場版ダーウィンが来た!
プロット  日本
03月08日 劇場で
美と殺戮のすべてオンラインで映画を見る
美と殺戮のすべて
プロット  アメリカ
03月29日 劇場で

皮膚を売った男コメント(13)

Oksmphgixns
Oksmphgixns
From a salesman's point of view, The Man Who Sold His Skin is nearly a carbon copy of The Square, acting as a parody of the art world with bizarre situations unfolding on screen. But the film has a little more heart with a love story at its center, and it often teeters the other way from silliness to lighthearted drama. With a Tunisian female filmmaker, it's some fresh directorial perspective.
Ospmxggxns
Ospmxggxns
御伽噺のような設定だが、人体に彫ったタトゥーを美術品として売買するエピソードはほぼ実話で、ヴィム・デルボアという現代アーティストの作品「TIM」に着想を得ている。
デルボアはティム・ステイラーという男性の背中に作品としてタトゥーを施し、展示会場では観客側に背を向けて彼を座らせていた。「TIM」はドイツのコレクターに落札された。ちなみに、デルボアは保険会社の社員役で本作にカメオ出演している。
シリア難民の人権問題にこの奇想天外なアートを絡めて、独特の切り口で人間の自由について問いかけてくる映画。

ちょっとした発言のため官憲に追われ難民となったものの、恋人に会うため高名なアーティストの作品のカンヴァスとなり、「美術品」となることで移動の自由を手にしたサム。ところが恋人と連絡はついたものの諸事情によりすれ違い続け、サムは目的を果たせないまま、作品として扱われながら流浪してゆく。
割と淡々と話が進んでゆくが、サム本人の意向を全く顧みない人権団体とのやり取りなど、皮肉めいたおかしさを感じるシーンもある。直接関係のない第三者が、当事者の個々の事情を汲まずにプロパガンダのネタ扱いするのはよくあることだ。
他にも作品である背中に吹き出物が出来てしまったり、薄口のユーモアがちょいちょい挟まれる。人権の問題をしっかり織り込みながらも、語り口はライトだ。
ところがラストはペースが一転して、短時間での急展開。うまく行きすぎでは?いややっぱ現実はエグいな、からのええええ?!感情の高低差とスピード感に、一本取られた気分になる。

アートを題材にしているだけあって、色合いや構図の美しい場面が多い。様々な美術品が額縁のように作品を彩っていて眼福だ。
サムを演じたヤヤ・マヘイニは、演技経験は学生時代だけで本職は弁護士だそうだ。でも全く違和感のない演技だし、何といっても作品のカンヴァスとなる肉体が自然で美しい。ベネチア国際映画祭で受賞したのも納得の、役にはまった存在感だ。
恋人のアビール役のディア・リアンは薄い色の瞳が印象的な美人。そしてモニカ・ベルッチはカッコよさに迫力がある。重ねた年齢に相応しい、こなれた美しさ。

美術品としてモノ扱いされた方がむしろ自由という、シリアの国内情勢に最後は自然と思いを馳せる。アート作品のあり方と人権問題、ふたつのことを考えさせてくれる作品。上手いです。
Ubencrsoxe
Ubencrsoxe
ラストの怒涛の展開に大興奮!
ビザを取れない人の背中にビザを描き、芸術という付加価値を付けることで、ビザを持たずして世界を行き来できるようになる皮肉。
人間の尊厳を放棄してモノになることで得られる自由。
芸術の名のもとの傲慢さ、芸術を笠に着る商人に、愛憎劇まで加わって面白すぎる!!

ワンシーンワンシーンにいろんなメッセージが込められていて、映画の楽しさを満喫しました。
序盤の、揺れる電車の窓枠越しの二人は
国内の事情に詳しくない私にでも、この先に障害が待ち受けていることや、二人の立場が不安定なことが伝わります。
全体を通して、鏡やガラス、フレームなどが効果的に使われていて、二面性や虚像や芸術性を強調していました。

タトゥーを入れるラボのシーンで流れるオペラのアリア(?)が素晴らしく、芸術を生み出す行為を高尚な美しさで印象づけていたと思いますが、とくに2回目の生身のグロテスクさと修復の繊細さがものすごく好き!!
ネタバレになるので詳しくは書けませんが、理由があって強烈に印象づけていたのだとわかります。

高級なローブの美しい動きや、模様の入った豚の置物など、暗示や隠喩も効いていて
なかでも一番のお気に入りは美術館に並ぶ人の列を見るシーン!
しょっぱなから額縁を意識させるアングルと銅像。
自分では気づかないうちに、既に美術品側の作品になっている感じが面白い。

《以下、ファーストシーンでわかることなのでネタバレではないと思いますが…》

タトゥーが芸術であることは理解できます。
とくに和彫りの美しさったら。
その昔、旧池袋文芸坐ル・ピリエで、彫り師さんによる実演付きトークイベントがありました。
いろんな国のタトゥーをスライドで見ながら、タトゥーの歴史や文化、モチーフの意味、和彫りと洋彫り、手彫りと機械彫りの違いなど、貴重な説明を聞くことができ、それまでちょっと怖いと思っていた認識が180度変わりました。
タトゥーは文化であり、メッセージであると同時に芸術でもあるのだなぁ。
魔除けの意味を持つ、幾何学模様で単色のタトゥーも美しいと感じましたが、とくに和彫りの線の細さ、ボカシによる陰影、発色の美しさに驚きました。
そのトークショーで、刺青の標本が存在することも知りました。
本人が死んでからも作品として永遠に残るのかぁ。
イベント当日、実演のモデルさんが発熱で来られず、残念ながら刺青の施術を生で見ることは出来ませんでした。
もしかしたら、はなから客寄せだったのかも…?そんな疑念もよぎりつつ。(^^;;
でも、もし、本当にそんなモデルさんがいたとしたら、出演を決めた経緯は何だったのか?
刺青を広める為の使命感?
彫り師さんの熱狂的なファン?弟子?
はたまた、お金に困ってのビジネスライクな関係だったのか?
今でも気になります。

自分から望んでした事なら、良くも悪くも自己責任だけれど、結果として利用される立場に見えてしまうと人権侵害や搾取になりかねない。
逆に利用して自分の本当の目的が達成出来れば人生の勝者になれる。持たない者にとっては一か八かの大勝負。ビッグチャンスでもある。
芸術家はこの契約によってセンセーショナルな現代アートを残すことができた。
届けたいメッセージは、ビザを取得出来ない人=自由に国を行き来出来ないことへの問題提起であって、移民や民族差別、格差社会に言及している。一か八かの大勝負に出なくても良い世の中を訴え、最後には更にもう一つのメッセージまでも加わって…
芸術家の作品は主人公の立場の人々へ還元される。
芸術家の一人勝ちかと思いきや、主人公の一人勝ちだったのかもしれない。