数日間のうち9分47秒だけ自分の意識を取り戻すことのできる元軍人が陰謀に立ち向かう姿を描いたSFアクション。2035年。PTSDに苦しむ元軍人ライアンが目を覚ますと、そこはトラックの荷台の中で、隣には見知らぬ少年が拘束されていた。訳のわからないままその少年を助け出して事情を聞くと、赤いマスクを被った男に母親を殺され、少年だけが拉致されたのだという。ライアンは自分のポケットの中から赤いマスクを発見し愕然とするが、そのまま意識を失ってしまう。その後も見知らぬ場面での覚醒と気絶を繰り返すうちに、ライアンは数日間に9分47秒だけ意識が戻ること、そして意識がない間にテロに加担していることに気づく。「ストレージ24」「4.3.2.1」のノエル・クラークが監督・製作・主演を務めた。共演にテレビシリーズ「LOST」のイアン・サマーハルダー、「RED」シリーズのブライアン・コックス。2015年1~2月、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷で開催の「未体験ゾーンの映画たち 2015」上映作品。
アノマリーコメント(7)
目が覚めると見知らぬ場面…が繰り返され。
意識を失っている間の行動の推理と、残された僅かな時間の有効活用が描かれる。
場面を重ねることで、ルールを理解したライアンの工夫が見れる点は楽しめました。
惜しむらくは格闘場面。
短い覚醒時間にも関わらず矢鱈と格闘場面があるのですが。
…いまどき格闘場面にスロー演出がなされるとは。
最早古臭くなった演出を堂々と打ち出してきた蛮勇に脱帽。
しかも全ての格闘場面にスロー演出が施されており思わず苦笑。
メリハリはなく中盤以降の格闘は既視感がある作りになっていました。
話の展開もイマイチ。
話の推進力となるライアンの行動原理は呑み込み難く。
事態を裏で操る人物達も詰めが甘い。
全体的に緊張感が足りない緩慢とした印象を受けました。
設定の期待値に対して物足りなさを感じた本作。
「午後のロードショー」あたりで流し見するのが丁度いい作品ではないかと。
年間百数本、劇場で観る方であれば。
オススメです。