エレファント・ソング プロット

「Mommy マミー」「トム・アット・ザ・ファーム」などの監督作で注目を集めるカナダの若き俊英グザビエ・ドランが俳優として主演し、精神科病棟で繰り広げられる心理劇を描いたサスペンスドラマ。ある日、精神科医が失踪し、患者のマイケルという青年だけが手がかりを知っていた。院長のグリーンはマイケルから事情を聞こうとするが、マイケルは巧みな話術でグリーンを罠に取り込み、翻弄していく。共演は「スター・トレック」のブルース・グリーンウッド、「カポーティ」のキャサリン・キーナー。

エレファント・ソング 俳優

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エレファント・ソングコメント(20)

Rddwuiaemm
Rddwuiaemm
いま、映画界で最も注目されるグザビエ・ドランが主演俳優として参加した本作。監督はシャルル・ビナメという人がやってます。僕個人としては、グザビエ・ドラン自身が監督もやってほしかったところなんですが……
物語は、とある精神病院が舞台です。ある日、この病院で、医師の失踪事件が起こります。新聞でも大きく報じられ、病院側は、この事件の真相を探るべく査問会を開きます。
失踪した医師が担当していた患者、それがマイケル(グザビエ・ドラン)
真相については彼が何かを知っているはず。
マイケルと失踪した医師との間に、何があったのか? 病院長で精神科医のグリーン院長(ブルース・グリーンウッド)は、真相を解き明かすべくマイケルとの対話を試みてゆきます。
本作では主に、マイケルとグリーン院長、二人の密室劇として描かれて行きます。
マイケルの母親は世界的なオペラ歌手でした。そのため演奏旅行ばかりの日々。マイケルは子供の頃から、母の愛をほとんど受けることなく育てられました。彼自身の言うところでは、子供の頃から寄宿舎に入れられていたとのこと。
マイケルは母親の旅行先、そのひと時のアバンチュールで生まれてしまった、望まれることのない子供でした。
その母は、マイケルの目の前で自殺。横たわる母親、たったひとりの愛おしい息子、マイケルを前に、彼女が残した最後の言葉は「三度、音を外した……」でした。彼女は息子よりも、オペラのことが気がかりだったのでしょうか? 当のマイケルは、横たわる母の前で「象の数え歌」を歌っていました。この一件以来マイケルは精神病棟に収容されたのです。
マイケルの父親は一度、彼をアフリカに連れて行ってくれました。
父親はハンターです。獲物を求めてサバンナをジープで駆け巡ります。幼いマイケルは、父親が猟銃で、象を撃ち殺すところを目撃します。
象の眉間に撃ち込まれた二発の銃弾。流れる血。ズサっと横たわる巨大な体。しかし象はまだ生きていました。
マイケルは死にゆく象の瞳を見つめます。まばたきする象の目。何を訴えたいのだろう? 象の瞳の奥に、深い、広い世界が広がっているかのようです。
父親は、倒れた象に「トドメを刺す」ため、もう一度、銃口を象に向けるのです。
その時マイケルは叫びます。
「NO!!!」
無情にも引き金が引かれます。
サバンナに響く、一発の乾いた銃声、その音はいつまでもマイケルの耳に残ります。
この一連のシーンは、マイケルの回想シーンとして語られます。
彼は院長、そして観客である我々にも、さまざまな「なぞかけ」をかけてきます。
マイケルの発言の中に「無用の長物」という言葉が出てきます。
その時、字幕の中に「エレファント」というルビが振られているのを目にしました。辞典で調べてみると、正確には「White elephant」白い象!?
それがなんで「無用の長物」と呼ばれるのか?
ちなみにYahoo知恵袋で検索しますと、「その昔、タイの王様が見た目の悪い白い象を敵側に送った故事に由来する」とのこと。
友好の印に送られたはずの白い象は、世話をするにも大変な手間がかかり、送られた側は、維持費がかさんで、とうとうギブアップしてしまった、という逸話があるのだそうです。
これは、本作において重要なキーワードでしょう。
つまりは、マイケル自身が精神病院に送られた、望まれない「白い象」ホワイトエレファントな訳ですね。
精神病院側はもう、彼の処遇に困るわけですね。ついには病院を破綻させかねない。その心配は現実のものとなります。
だから、彼の発する言葉の「象徴」するものであったり「暗喩」「隠喩」などに注意を払わねばなりません。院長との二人芝居は、緊迫した心理戦でもあります。しかしマイケルはいつもどこか、ふざけた態度をとります。まともに答えようとしない。グリーン院長の心をもてあそぶように、彼は言い放ちます。
「僕と取引したいのかい? だったら僕が出す条件は三つだ」
その一つが、なんと「チョコレート」をくれること、なのです。
実はこの、他愛もないチョコレートの要求が、後にとんでもない事態を引き起こすことになろうとは。
複雑怪奇なマイケルの精神世界、そこはまるで底なし沼なのか? あるいは巨大迷路なのか。
僕には彼自身が「虚無」な「無の坩堝」とでもいうべき存在に思えてなりませんでした。
Hmpgoxnskis
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ドラン目当ての鑑賞。
寝ました、でも寝て起きても大体内容が理解出来てしまいました。
正直、観た感想としてはピーナッツアレルギーの精神病患者がピーナッツ入りチョコレートを食べて自殺する話。以上です。
でも、ドランの演技力は好きでした。
Mskxispghon
Mskxispghon
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グザヴィエ・ドラン出演作は『神のゆらぎ』『胸騒ぎの恋人』に続いて3作目。その中では一番好きなタイプの作品だった。ただ基本的に院長室(?)での会話のシーンがメインのため、やや退屈に感じた。精神病患者の話と聞いて、フロイトの存在を思い出さずにはいられなかった。彼は人間は生まれながらにして死への欲望を抱いていると言い、私自身それは潜在的なものでしかないと思うのだけど、この映画ではマイケルがずっとその欲望に蓋をして、誰にも悟られないように院長や師長を翻弄していたのだろうと解釈した。カルテを読まないと条件を出すことで、最後にナッツ入りチョコを食べ、アレルギーで死ぬ…という流れはとても気に入りました。マイケルは自らの欲望を守り通したんだなぁと。ただ、他のレビュアーも書いているように、マイケルが精神病患者というよりはわがままな子供のようだという印象は確かにあった。見ていて苛立ちを覚えそうになる会話のやり取りも、彼自身の振る舞いも、精神病患者と言われるとそうではないような・・・という感じは否めない。
gqznpv
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よくいく映画館で上映予定としながら、なかなか上映日が決まらなかったエレファントソング。ついに見られました。

水曜日に行ったので、会員以外も安いのでそこそこの入り。ひとえにグザヴィエ見たさよねーという感じ。私ももちろん演者グザヴィエが見たかったのです。

※以下ネタバレしてますので、ご注意を。

サスペンスチックに展開してゆくのですが、状況の整理がなかなかに集中力がいります。

構成としては、クリスマス休暇開けに、理事長が、院長と看護師長から事情を聞き出していて、休暇前の事故がなんだったのかを院長と看護師長が語るというものです。

クリスマス休暇前のこと、失踪したとされる先生の行方を、現場に疎い院長が何かを知っているらしい患者マイケルから聞き出そうとして面談をします。院長は看護師長の元夫で、看護師長との間にもうけた娘を事故で亡くしています。院長には後妻がおり、姪だというダウン症の少女を可愛がっています。後妻はこの姪を歓迎していない様子です。

院長はマイケルの口車に乗せられて、契約とやらに縛られながら話を進める羽目になります。なので、マイケルのカルテを読めていません。

最終的には死を望んでいたマイケルがアレルギーのあるピーナツチョコを食べて自殺するというオチです。

マイケルは失踪したとされる先生がすきだったし、失踪したとされる先生もマイケルを愛していましたが、それは精神的な愛であり、肉体を伴わないのでした。
マイケルは先生に触れることも含めた愛を望んでいたので絶望したのでしょうか。

先生は失踪しておらず、姉が倒れたので病院に行きます!というメモを残していたのですが、そのメモをマイケルが、隠していたのです。

時々子供の頃のマイケルの回想も入ってきます。母は(キューバの人で良いのかしら?)高名なオペラ歌手でしたが、自殺しました。父は一度しか会ったことがなくて、アフリカに住む人でした。父がサバンナで象を撃ち(密猟?)、象の死と母の死がマイケルの精神を蝕んだため5年も精神病院に入院したということなんでしょうな。

上手くまとめられないのが、悲しいですが、本当のことを言ってるかどうか信用できないけど魅力的なマイケルに院長と一緒に翻弄されたという感じです。

まさか自殺幇助されられるとは!でした。

エレファントソングのあとに、鏡という10分くらいの短編が上映されました。
10歳かそこらの、グザヴィエが避暑地で出会った美貌の青年にドッキドキして、性に目覚めてゆく日々が切り取られたような作品でした。
若いグザヴィエですが、表情が今とそう変わらないのが驚きです。
Oihkmsgpsnx
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姿を消した精神科医。
鍵を握る精神病棟の患者。
行方を探ろうとする院長。
彼等の駆引きを通して徐々に状況が見えてくる。

冒頭から充満する不穏感。
情報が制限されて状況が殆ど見えない。
と同時に小出しにされる情報も不穏感を煽り。
全編通して不穏感を楽しむことが出来ました。

俳優の演技も良かった。
愛を渇望するが故に愛に翻弄される人々が巧く表現されていました。
患者マイケルを演じるグザビエ・ドラン。
良い意味でも悪い意味でも純粋なマイケル。
掴み処の無い、底の見えない哀しい怪物を怪演。
院長を演じるブルース・グリーンウッド。
社会的地位を持ち体面を気にする院長。
小出しにされる虚実入り混じった情報に惑わされ右往左往。
併せて彼自身も家庭に問題を抱えて、愛を渇望している。
固い顔と柔らかい顔の使い方が絶妙でした。

惜しむらくはテンポ感と展開。
話のテンポが少々悪く話運びが散漫。
話が細切れにアッチコッチに動き。
常時充満する不穏感は行き過ぎれば疲労感に。
思わせぶりの場面の連続で集中力が摩耗しました。
また終盤の展開も残念。
風呂敷の強引な畳み方に納得感が薄く全体的に残念な印象になってしまいました。

愛を渇望して愛に翻弄される人々を描いた本作。

注目を集めるグザビエ・ドランの新作。
今後の事も考えれば観ておいて損は無いと思います。
オススメです。