最愛の家族との約束を果たすため、遥かユーラシアの大地、9 000マイル(14 208km)を命を賭けて歩き続けた男の感動の物語。監督は「カスケーダー」のハーディ・マーティンス。ヨーロッパで有名な実話を壮大なスケール感で描き上げ、ヒューストン国際映画祭グランプリをはじめ、2003年ゆうばり国際ファンタスティック映画祭での審査員特別賞など、世界中の映画祭で数々の賞を獲得した。撮影はベラルーシ、ウズベキスタン、ドイツと全工程64 000kmにもなるオールロケを敢行。撮影は1年にもわたり、総スタッフ数277人、エキストラ11 480人という大規模なものになった。ロシアが誇る撮影監督、パーヴェル・レベシェフによる壮大な大自然の光景は圧巻である。
9000マイルの約束コメント(1)
脱走するまでが早いと思ったけど、そこからが極寒の地シベリアを横断するという過酷な逃亡描写。餓えのためにアザラシだって食っちゃうクレメンス。ドキュメンタリーかとも思えるような雪原映像がすごい。イヌイット(?)の女性とのロマンスもあったりするが、彼を助けてくれる人ばかり。しかし、彼に関った人間はかなり殺されていく・・・
一番印象に残るのはユダヤ人の虐殺を許してしまう誇り高きユダヤ人。「虐殺の事実を知らなかったんだな」と怒りは上層部に向けられていた。何度でも助けてやるなどと、ちょっと美談すぎる気もするが・・・