反撥

6.9/10
合計16件のレビュー
ジャンル   プロット
ランタイム   105分
言語   英語
地区   イギリス
劇場で   06月15日 2013
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反撥 プロット

ジェラール・ブラッシュの協力を得て「水の中のナイフ」のロマン・ポランスキーがシナリオを執筆、自ら監督した心理ドラマ。撮影は「博士の異常な愛情」のギルバート・テイラー、音楽はチコ・ハミルトンが担当した。出演は、「シェルブールの雨傘」のカトリーヌ・ドヌーヴ、「女ともだち(1956)」のイヴォンヌ・フルノー、他にイアン・ヘンドリー、ジョン・フレーザー、バトリック・ワイマークほか。

反撥 俳優

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反撥コメント(6)

kyuaux
kyuaux
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ホラー映画とひとくちにジャンル分けしても、その内容は様々だ。90年代に流行した『羊たちの沈黙』を代表とするサイコ・ホラー、70年代~80年代に全盛だったのは『13日の金曜日』などのスプラッタと『ジョーズ』のようなパニックもの、さらにオカルトものの代表『エクソシスト』等と様々ある。さらにヒッチコック作品のようなサスペンス色の強いものもホラーと言えなくもない。(『エイリアン』のようなSF・ホラーと言うものまである。)しかしながら、モダン・ホラーと冠のついているのはポランスキー作品だけではないか?少なくとも私は、このジャンルに属すに値する作品を他に知らない…。ポランスキー作品が何故モダン・ホラーなのか?幽霊や悪魔、強暴な動物(異星人)などは一切登場せず、普通の人間の、普通の生活(事故や災害に遭遇しない)の中に潜む恐怖(狂気)を描いているからか?いや、それならばヒッチ作品やサイコ・ホラーも同類だ。ポランスキー作品には、他のホラー作品にはない、スタイリッシュさが溢れている。ホラーといえばひたすらヒトを怖がらせることを目標として作られるために、製作者(あるいは監督)が力を入れるのは、血なまぐさいビジュアルや、サスペンスをもりあげる音響、常軌を逸した場面や人物設定だと思う。もちろんこれらの要素が全く無くてはホラー映画とは言えないわけで、ポランスキー作品も同様にこれらが効果的に使われてはいる。えてしてB級作品などには、これらに力をいれるあまり、不自然なストーリー展開、あり得ない状況設定と、逆に笑ってしまうものなどもあるくらいだ。それはそれで、まあ楽しいが、キャスティングにまで無頓着なものはいただけない。やはりスクリーム女優は美人がいい。ポランスキーのホラーは、媒体を通して目や耳で感じる従来の恐怖とは異なり、直接内面に入りこむ怖さがある。それでいて、どこか快楽に酔うような、甘美な感覚を芽生えさせ、麻薬のような作用を与える。『反撥』はモノクロ作品だが、その映像は古さを感じさせない。むしろモノクロだからこそ、その鮮やかな(時には淡い)色や、手触り、臭いまで鮮明に感じることができるのかもしれない。特に強烈な印象を残すキャロル(カトリーヌ・ドヌーヴ)のブロンド。色だけでなく、柔らかな感触や、シャンプーの香りまで想像できる。清楚な中に秘められたエロティシズム。決して前面に押し出されず、チラチラと見え隠れするエロティシズムが甘美な恐怖を生むのだろう。物語のメインテーマはキャロルの狂気。しかしそれは表面的なもので、実際はキャロルを通して、自分自身の中にあるエロスや狂気を発見させることだ。いつしか、キャロルの触るものを肌に感じ、キャロルの嫌悪するものを、自分もまた嫌悪するのだ。この奇妙な感覚、男性にはわからないだろう。女であるが故に感じる生々しい恐怖だ。(では何故、男であるポランスキー監督にこの感覚がわかるだろう?)思春期と呼ばれる頃、少女はひたすら恋愛に憧れる時がある。しかしそれは、ドロドロした大人の恋愛ではなく、美しく清らかな恋愛だ。恋愛は崇高なもので、セックスは汚いものだった(これぞ少女マンガの世界!)。特にキャロルのように内気で、現実逃避したがる少女にこの傾向が強い。これらの嫌悪は多分相手が男性に限ったことではないと思う。ただ男性の方がより強い嫌悪を抱くというだけのことだ。触られるという行為は、自分のテリトリーを侵害されるということ。キャロルのように、自分の殻の中に必死で閉じこもっている人間にとって、何よりも絶えがたい行為なのだ。初めのうち、キャロルの嫌悪も、この程度のものだった。自分のテリトリーである「家」に入ってくる侵入者。それも妻子ある人間。(恋愛に憧れる若い娘にはこれはたまらなく不潔なことだ)さらに、自分の歯磨き用のコップに、その男の歯ブラシが入っている。頭で考える前に、生理的におこる嫌悪感。しかしこれだけだったら、ただの潔癖症で済まされるだろう。しかしキャロルの不幸は、自分では気づかないセックスに対する憧れがあること。嫌悪と憧れがまざりあって、微妙な歪を生む。しかしこの感覚も、大人になるにしたがって消えて行くものだ、普通なら…。しかし、普通にはすまないほど、キャロルは美しすぎ、そして無防備すぎた。街を歩くだけで、下品な男供が口笛を吹く。礼儀正しいボーイ・フレンドさえも、欲望をおさえきれない。静かに狂気にかられて行くキャロルの美しさ。乱れるブロンド、身体のラインが透けるネグリジェ。床に寝転がる仕草…。男が放っておかないのもうなずける。静かな狂気の象徴として、効果的に使われるのは、壁の亀裂とウサギの肉。キャロルの狂気が静かに進行して行くと同じに腐って行く肉。その静けさを破って音を立ててひび割れる壁。ほとんど音楽を使用しない中、この壁の音だけが、はっきりとした不安感を感じさせる。もし、早いうちに誰か、彼女の変化に気付いていたら…、たとえば、彼女の姉が、愛人にうつつを抜かさずにいたら…。しかし皮肉なことに、みんな彼女の狂気に気付かなかったのに、ただ一人いち早く彼女の異常に気付く人間がいた。誰あろう、キャロルが一番嫌悪する姉の愛人だった。しかし、彼は姉と旅行に出てしまった。数日後、帰宅した2人が目にするものは、荒れ果てた部屋に、2人の男の死体、そしてもはや精神的に崩壊したキャロルだった…。それにしても、死体を見つけた時の姉のパニックぶり。感情のDNAが発達している女性の悲しい性だ…。テキパキと的確な判断を下し、正しく行動する愛人は、どんなに嫌悪しても最終的には頼りになる男の象徴…。この姿をキャロルが見られなくて残念だ、少しは男性嫌悪が薄れたかもしれないのに…。何を言ってもすべては後の祭り…、今、彼女の心はどこにいるのだろう?願わくは、汚れのない世界であることを…。