渚にて

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渚にて プロット

ネヴィル・シュートの原作に基づき、「手錠のままの脱獄」のスタンリー・クレイマーが製作・脚本した人類の未来の物語。脚色はジョン・パクストン。撮影担当は、ジュゼッペ・ロトゥンノ。音楽はアーネスト・ゴールド。出演するのは「勝利なき戦い」のグレゴリー・ペック、フレッド・アステア、エヴァ・ガードナー、アンソニー・パーキンスなど。製作スタンリー・クレイマー。

渚にて 俳優

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渚にてコメント(6)

xshbov
xshbov
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こんなにも静かに人類滅亡を描いた映画があるだろうか・・・?都市の破壊や、パニックシーンを一切排除し、核兵器による放射能に汚染された地球の最後の日を冷静に描いた。それは、わずかな喪失感と大きな諦め、そしてささやかな焦燥感を交えながら、静かに静かにやってくる。そのあまりの静けさは、悲しくもありそら恐ろしい・・・。
本作は、若い夫婦の平和で幸福な朝の描写から始まる。ハンサムな夫(『サイコ』以前のパーキンス、悲しいほどの美青年!)が、まどろんでいる妻のために朝食を用意しながら、ベビーベッドの赤ん坊にミルクを飲ませている。妻は夫のキスで目覚め、幸福そうに2人は微笑を交わす。胸のうずく幸福感漂うこのシーンが、物語が進むうちに、放射能により地球のほとんどが滅亡し、わずかに汚染から逃れたオーストラリアの地に非難する少ない人類の最後の日々だという衝撃の事実が判ってくる。それなのに人々の暮らしは冒頭の朝の風景のように平和だ。海水浴やパーティーを楽しみ、時にはピクニックやカーレースに興じる。紳士たちはクラブで談笑し、妻たちは子供の世話にいそしむ。しかし、その何気ない日常生活に隠れて人々の心に根付いている絶望・・・。ある者は酒におぼれ、ある者はヒステリックに“生”にしがみつく。どんなに現実逃避してみても、“その日”は刻一刻と迫ってくる。「われわれにはまだ希望がある」のスローガンをかかげ、広場で集会が開かれる中、人々は安楽に死ねる“薬”をもらうため、長い行列をつくるのだ。この整然と並んだ静かな長い列に少なくもショックを受けた。一見穏やかな表情だが、その胸中にはどんな想いが去来しているのか・・・?
いよいよ最後の日、ある者は愛する人と見つめあいながら、ある者は長年勤めた職場でただ一人でと、人々は静かに杯を傾ける・・・。しかし、冷静に“死”を受け入れられない者もいる。当然だ、私とてこの恐ろしい事実を受け入れられはしないだろう。冒頭の幸せそうな夫婦は、“死”を受け入れることのできない妻の苦しみを背負っている。夫は愛する妻と子供のために“薬”を手に入れるが、妻はその薬を子供に飲ますことは“殺人”だと夫をなじる。私には夫と妻、どちらの主張が正しいとは言えない。ほぼ100%あり得ない「助かる道」を信じたい妻の気持ちも痛いほど判るからだ・・・。本作では「死ねる」人間が強く、「生きよう」とする人間が弱い心の持ち主なのだ・・・。この常識の反転が、本作をさらに恐ろしいものにしている。
誰もいなくなった街、「われわれにはまだ希望がある」と書かれた横断幕が、ただ風にゆれている・・・。
zdvjkmy
zdvjkmy
アポカリプスものだけど、普通に日常が続いている。しかし、いつそれが終焉を迎えるのかわからない緊張感が漂う。主な舞台となる南半球はまだ無事だが、北半球はどうやら滅んでいるらしい。遠い異国の地が滅んでいるといわれても、ピンとこない。
後半、潜水艦で北半球に向かい、着いたのはサンフランシスコ。街が破壊された様子はないが、人がいない。死ぬときは生まれ故郷で死にたいと乗組員の一人が艦を抜け出す。
コカ・コーラのビンの使い方が本当にすごい。コーラは文明の象徴だろうか。人がいなくなってもモールス信号を送り続ける文明の残滓としてのコーラの空き瓶。
世界が終わる時、何をするか。だれもが一度は夢想したことがあるはず。自分の趣味に没頭するのか、穏やかにいつもの日常を過ごすのか。SFならではの壮大な終活だ。
Shttwhaouc
Shttwhaouc
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若夫婦の幸せそうな朝から始まるお話。

直接的な描写は一切なく、なんの説明もなしに人々の会話からの情報だけで世界の説明をする脚本がうまいです。不気味さや不穏さをたたえながらこちらの興味も持続しました。

「There Is Still Time…Brother」の文字列が今の我々にも訴えているような気がしてなりません。最初は放射能汚染の進行までまだ時間が有ることを人々に表すための横断幕だったわけだけど、誰もいなくなった世界に残されたそれはなんだか我々に向けて言っているような気がしてならなかった。「まだ時間はある…()兄弟たち」の()内に入る言葉を考えなさいって言われてるみたいで。

下手に放射能汚染で生物が云々みたいな話を見せられるより、よっぽど放射能の恐ろしさを端的に表している作品だと思います。これは時代の関係ない、脚本の技でしょう。
hnsupk
hnsupk
1957年刊行の同名原作はSFの終末物の名作として有名
本作は1959年の公開
キューバ危機が起こり世界が明日核戦争に突入するかも知れない
そんな恐怖におののいたのは1962年のこと
つまり本作の描く物語はSFの世界ではなくいつそうなってもおかしくない恐怖を具象化した作品であったのだ

全面核戦争の恐怖は1991年のソ連崩壊による冷戦終結によって去った
それは1988年にはINF条約という核軍縮条約の締結から始まった

それから30年が流れた
本作公開からは60年もの年月が過ぎた
核戦争の恐怖は前世紀のものでもはや過去のものなのだろうか?
本作は過去の題材の作品なのだろうか?

とんでもない
ロシアと中国はINF条約を無視して新技術の迎撃不能な新型の核ミサイルを開発していることが明らかになっているのが、21世紀の現状なのだ
対抗上米国はそのINF条約を破棄するとのニュースに接したばかりだ
そればかりか北朝鮮の核の火遊びはいつ再開されるかも知れないのだ

つまり21世紀の核危機は今始まったのだ
全面核戦争の危機は米ソ冷戦時代のレベルに舞いもどっているのだ

しかし核戦争の結末は何なのか
社会は、私達の生活はどうなってしまうのか
核で一瞬のうちに灰にならなくともどのような終末が待っているのか
本作の示すところを世界はもう忘れ去ってしまっているのではないか
今こそ本作を見なおさなければならない時にきているのだ

西側世界に育った私達はこのような核戦争の末路を描いた作品を観たり聞いたりして大人になってきた

しかし、ロシアや中国の人々はどうだろう
本作のような核戦争の恐怖を描いた作品を観て育って来ているのだろうか?
同じ認識に立っているのだろうか?
もし観てもいないし本作の存在すら知らないで大人に成っている人々ならば、この21世紀の核戦争の恐怖を互いに共有することができるのであろうか?

本作の終盤には教会の前の横断幕に大書きされた「まだ間に合う」の文言が写される
神にこの核戦争の誤りを悔い改めるにはまだ間に合うとのものだが、ラストシーンに再度写される
それは本作を観る私達に 向けてのものだ
核戦争を食い止める努力はまだ間に合うのだ
米ソ冷戦時代の当時の観客だけに向けてのものではない
60年の時を超えて、21世紀の私達に向けてのメッセージを強く発しているのだ

名優グレゴリー・ペックの名演はじめ、平穏を保つメルボルンが実は水面下で壊れそうのなるのを耐えているのだということを映像と演出で巧みに淡々と描ききったところは映画としても大変に優れている
素晴らしい名作だ
EennhiwsCi
EennhiwsCi
ものすごく有名だったから観た。たしか、村上春樹のエッセイにも書かれていたから。村上氏のいう通り、たしかに救いようのない映画であった。
SFチックながら、人物の情緒というか、間の取り方や厳選されたセリフの重みがすごい。これが本当の演技というものだ。
高評価で期待値は高かったが、それを裏切らない内容だった。冷戦下で、核戦争に対する差し迫った恐怖心がひしひしと感じられるような作品だった。