このハンバーガー、ピクルス忘れてる。
プロット
日本
02月16日 劇場で
りりィ 私は泣いています
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日本
02月16日 劇場で
ウルトラマンブレーザー THE MOVIE 大怪獣首都激突
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日本
02月23日 劇場で
ただ、あなたを理解したい
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日本
02月23日 劇場で
ジャン=リュック・ゴダール 遺言 奇妙な戦争
プロット
フランス・スイス合作
02月23日 劇場で
K‐9 L.A.大捜査線
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アメリカ
02月23日 劇場で
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ノマドランドコメント(20)
この映画自体もドキュメンタリー風の淡々とした作風でしたが、こんな状況下でも自尊心溢れるマクドーマンドの演技が「スリービルボード」とまたひと味違って良かったです。
でもこれが金獅子賞というのは…私はちょっと微妙。だってサブプライムローンで家を取られた多くの人々が、やむ無く車上生活してる話でしょう? 主人公だけは“今は亡き夫との思い出”ってダサダサ。悪いのは銀行でしょうが。コロナで映画制作が激減し対抗馬が居なかったのか?
ファーンは夫に先立たれ、リーマンショックの余波で住み慣れた家も町も失い、キャンピングカー暮らしをスタートさせる。Amazonの商品倉庫での仕分けや、オートキャンプ場での雑用など、短期労働で当面の生活費を稼いではまた移動する生活。実在する現代のノマドたちも出発点はたいてい切実な事情だが、家や土地、地縁に縛られない生活は、近代の管理社会で私たちが自明のように受け入れてきたさまざまな束縛からの解放を実践している面もあり、ある種の悟りの境地に達しているようでもある。ファーンに誘われてアメリカ西部の荒野、森、海といった広大な大自然を目にすることで、この地球上にたった一人で立つ感覚を少しだけ取り戻せるはずだ。
同じ車上生活者達と交流し、季節労働を求めて移動していく。
自分の居場所はどこか。
そこに「家」という建造物は必要なのか。
出会っては別れ、また出会う彼らは、各自思い思いの行き先へ出発していく。
数々の石。石。石。
赤色、青色、艶のあるもの、沢山の穴が空いているもの。
大きさも形も色も、どれひとつとて同じ物はない。
人の一生もまた、同じものはない。
どんな道を転げようと、正解も間違いもない。
多くを得て多くを失う人生の起伏も、
宇宙と大自然が起こす変化と比べれば、何と微々たることか。
全体的には淡々とした作品でしたが、その解釈は観客の数だけあるかも知れません。そう考えると秀作なのでしょう。
個人的には、季節労働者として過ごした丸一年が、主人公にとって喪失を乗り越える旅となったのかなと思いました。
米国の色々な労働環境を垣間見れるのも興味深いです。Frances McDormandに全く違和感がありません。こんなにヘルメットの似合う大女優が他にいるでしょうか。
愛着を感じる場所があなたの家。
あなたの帰りたい所はどこですか?
***
↓ 鑑賞中、やたらと思い浮かんだこと。
セネカ
『生の短さについて』
大西英文訳
「人は皆、あたかも死すべきものであるかのように全てを恐れ、あたかも不死のものであるかのように全てを望む。
多くの人間がこう語るのを耳にするであろう。「50歳になった後は閑居し、60歳になったら公の務めに別れを告げるつもりだ」と。
だが、いったい、その年齢より長生きすることを請け合ってくれるいかなる保証を得たというのであろう。」
高齢な彼らにとっては過酷な労働環境であり、快適とは呼べない生活環境だし、実際肉体的にはそうなのだと思います。でも、悲しみや喪失感を抱えて生きる彼らにとって、自然と寄り添い生きる事、同じ生き方を選ぶ人々との心の交流が、残りの人生に必要なものだったのだろうと、観ていて感じました。
この価値観を理解できない人も多くいると思いますし、私も真似できない。でも、思い出と共に生き、過去と自らを省みながら生きるには、もしかしたら彼らのような生き方の方が生きやすいのかもしれないとも思います。
面白かったとか、感動したとか、そういう感情ではなくて感想が難しいですが、たくさんの場面や台詞が胸を打ちました。
期待を裏切らない作品。素晴らしかったです。
■感想<Caution! 少しだけ内容に触れています。>
・ファーンは、夫が勤めていた企業が破綻し、町自体が無くなってしまい、住み慣れたネバダ州の家を失い・・、夫を失い・・。
そして、季節労働者として、アマゾンの物流センターで定期的に働き、契約が切れると、愛車ヴァンガード(先駆者)と名付けた亡き夫と作り上げた拘りの古きヴァンで、放浪の旅に出る。旅先でも、キャンプ場の係や、ハンバーガーチェーンの店員として働く生き方を選択している。
◆企業城下町の終焉はいつの世にもある。永遠に栄える町はないのである。
現代アメリカの非正規雇用率が高いのは周知の事実。アマゾンでも同様。単純労働者は基本的に非正規雇用者である。それにしても、アマゾン、良くぞ物流センター内の撮影を許可したなあ・・。単調な作業をこなす人々の姿。
アマゾンは今作では、”物質主義の代表”として描かれている・・。
・ノマド達の集まりRTR(Rubber Tramp Rendezvous)での、物々交換のシーンや、参加者の殆どが高年齢者である事に、驚く。
60歳を超えているフランシス・マクドーマンドが、若く見えるのである。
彼らは、お互いに助け合いつつも、”個”を重視し、孤独に向き合いながらも、生きている事が分かる幾つかのシーンが印象的である。
・孫が出来、ノマドから定住生活に戻ったスワンキーの家の感謝祭にファーンが誘われるシーン。一緒に暮らさないかと言うスワンキーの言葉に、無言を貫くファーンの姿。
◆彼女は迷っている・・。
安寧だけれど縛られた定住生活か、自由だが、様々な不自由、リスクと隣り合わせの生活か・・・。究極の選択であろう・・。それは、彼女の妹との会話でも、表現されている。ー
・そんな、ノマド達の姿の背景には雄大なアメリカ西部の風景が常に映されている。ファーン自身も、全裸で山間地を流れる小川に自然に身を委ねる・・。
広大な自然は、人間の営みを時に厳しく、時に優しく無言で見守っているようである。
<ラスト、愛車ヴァンガード(先駆者)を、広大な山脈に向かう荒野の一本道を走らせるシーンが
”この生き方で、私は亡き夫と共に、生きる。”
と言うファーンの想いを象徴している。
現代アメリカが抱える様々な問題を、サラリと描きつつ、”尊厳ある生き方とは何であるか”という深い命題を、観る側に問いかけてくるドキュメンタリータッチの作品である。>