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稲妻(1952) プロット 日本 10月09日 1952 劇場で
稲妻峠の決斗 プロット 日本 10月27日 1962 劇場で
稲妻草紙 プロット 日本 12月30日 1951 劇場で
ニックス・ムービー 水上の稲妻 プロット スウェーデン・西ドイツ合作 01月01日 1900 劇場で
妻の青春 プロット 日本 02月05日 1953 劇場で
華岡青洲の妻 プロット 日本 10月20日 1967 劇場で
青の稲妻コメント(1)
「青の稲妻」の冒頭で、主人公の若者は、ある男から仕事の口について情報を聞く。町の金融業者を名乗るサングラスのその男はすかさず「情報料」を請求してくるが、若者がいまは持ち合わせがないというと、その一言だけで金の回収を諦めてしまう。何とも中途半端で、本気で請求する気があったのか、冗談だったのか良く分からないまま映画は先へ進む。
その後、この男が公安に逮捕されるシーンがある。本人も周囲もたいして騒ぐ様子がない。しかも、しばらくすると何事もなかったかのように、また若者たちや観客の前に姿を現すのだ。まるでトイレにでも行っていたかのような、至極当然な顔をして戻ってくるのだ。
主人公の若者らは男のことを「ウーさん」と呼んでいる。
さえない若者を相手に金をせびり、しかもそのことを容易く諦めてしまう根性のなさ加減。当たり前のように逮捕され、また当たり前のように町に現れる。これが「一瞬の夢」の主人公・小武その人でなくて誰であろうか。
映画の終盤、主人公がおそらく海賊版であろうビデオソフトを自転車に載せて売り歩く。そこへ「ウーさん」が買う気も無さげに、「一瞬の夢は?プラットホームもない?学生相手にその品揃えはないだろう」と絡むのだ。
「ウーさん(を演じたワン・ホンウェイ)」にしてみれば、かつての自分の主演作が未扱いなのは我慢ならないという、二つの映画の世界が一続きとなるギャグとなっている。
ギャグと言えば、「稲妻」の爆弾を腹に巻いて銀行強盗に臨んで手にはライターがないというオチと、「一瞬」の不意に鳴ったポケベルのせいでスリに失敗してしまうことは、二つの映画の終盤のプロットが似ていることを気付かせる。
つまり、この若者も結局は「ウーさん」並の小さな犯罪を積み重ねて生きていく男になることが暗示されている。