女優で劇作家、演出家の桑原裕子が主宰する「劇団KAKUTA」が2011年に初演した舞台を佐藤健、鈴木亮平、松岡茉優、田中裕子の出演、「孤狼の血」の白石和彌監督のメガホンで映画化。タクシー会社を営む稲村家の母こはるが、愛した夫を殺害した。最愛の3人の子どもたちの幸せのためと信じての犯行だった。こはるは子どもたちに15年後の再会を誓い、家を去った。運命を大きく狂わされた次男・雄二、長男・大樹、長女・園子、残された3人の兄妹は、事件のあったあの晩から、心に抱えた傷を隠しながら人生を歩んでいた。そして15年の月日が流れ、3人のもとに母こはるが帰ってきた。次男役を佐藤、長男役を鈴木、長女役を松岡、母親役を田中がそれぞれ演じるほか、佐々木蔵之介、音尾琢真、筒井真理子らが脇を固める。
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2010年に日テレで放映した『Mother』という名作ドラマがあったのですが、その時の田中裕子の演技が良すぎて驚いた記憶があります。今作はその『Mother』を思い出させる内容でもありました。児童虐待で亡くなる子供が減らず寧ろ年々増えている現実。そしてDVの被害者でありながらも加害者にもなってしまう女性。自分や子供を守る為に夫を殺したこはるは、暴力を放置する日本社会に対する憤りや絶望を象徴している存在だと思います。法制度が機能していない状況で、弱い立場の人間ができることには限りがあります。もし、こはるが夫を殺さなかったら、最終的には誰かが殺されていたでしょう。私達が語る『正しさ』とは一体何?
社会の中で苦しむ人達に言葉を持たせて、私が想像できなかったことを想像しやすく描くところや女性を男性目線のステレオタイプで描くのではなく、ひとりの人間として描くところが、私が白石監督を好きな理由です。今作でも、DVや虐待をする男は容赦なく殺す。モラルなんて関係ない。アルモドバル監督と同じです。
弟とはもう連絡が取れません。
凄く親子とか姉弟とはって改めて考えさせられ凄くみていて苦しくなりラストは号泣でした。
奥が深く忘れられない作品になりました
まぁ、「壊れた家族」とはポスターに書かれてはいますが、私とすれば序盤壊れますが後はスレ気味なだけでまだマシな家族に見えましたけどね。
なんだかんだでも地元に子供が2人残り、なんだかんだでも都会に行った息子は里帰りするんだから。
普通はこれ以上にバラバラよw
甥の丸井が(こんな超良心的甥いないって💦)あまり表沙汰に感情を表さず、こはるが戻るまでこの子供達およびタクシー社員を家族的扱いして大事にした事によりこの映画のステージ(舞台)があると思う。映画らしく。
また、あまり社会に成功していない子供達もこの映画の面白味に一役買っていると思った。
家族の話が描かれておりますが、キチンとした形には戻らないにしろ、その家族が一応納得した形であれば問題ないと思うし。
だから「外にいる人間はガタガタ言うんじゃねぇ‼️」と思わせる映画でしたし。
家族についてあまり飾ってもおらず、それならば「壊れた家族」なんて飾り文句(フレーズ)も要らなかったのでは?と思う(繋がりは壊れてないんだから→期待値からは外れた)ので、鑑賞後私の感想とすれば展開まずまず、俳優演技もまずまず、田中裕子も吉永小百合の演技以上に想定内。
だから総合的まずまずな星評価。
いつも思うのはこの人にかかったら、
どんなアイドル的存在も最低のクズに仕上げてしまう凄さw
正直、佐藤健の演技力は、いつもどこか乾いている気がして、
号泣するシーンも、苦悩するシーンも、どこか客観的に感じていたんだけれど、
今回は違った。さすがです監督!
そして主役の周りを実力ある役者が固めたせいで、
余計に本気にさせられたのかもしれない。
しかし内容は、子供達のために敢えて鬼になった母親の問題。
ある日突然、普通の家族が犯罪者の家族に変わる。
父がどうしてああなったのかの理由はどこにもなかったけれど、
それをやっちまうと3時間超になるんだろう、
複雑で繊細な問題を、次男の葛藤を主軸によくまとめたなぁと感心しました。
シナリオ買っておいてよかったです。
これから復習します。
田中裕子さん、お見事でしたね。
佐々木蔵之介さんのあんな表情も初めて観ました。
音尾琢磨さんに癒されたし、良いキャスティングでした。
細かなところに突っ込みどころは多々ありましたが、
よくできた作品だと思います。