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ファヒム パリが見た奇跡コメント(18)
チェスクラブの指導者役の太っちょおじさんがいい味。
そして、主演(ファヒム役)の新人アサド・アーメッドの演技がまた素晴らしい。
チェスを通じて「好きなことに夢中になれば国籍も年齢も関係なく、皆が気持ちを通わせられる」という一つの理想を見せていました。
そういった純粋な子供の交流を描く根底には移民問題があり、フランスの人権に対する姿勢・方向性へ疑問を投げつけていた印象です。
滞在許可を取る為には就労が必要だが、滞在許可がなければ就労はほぼ不可能という、制度の矛盾を作中で指摘していました。
ある意味そういった矛盾と戦う子供の話だったと思います。
1位を目指すことは全員できるはずですが、実際はできません。苦境にもめげないことはとても難しく、明るい未来は優勝しなければ得られないことも現実と認識しました。
それもあってか、冒頭にファヒムの故郷であるバングラデシュが描かれるのだが、全てが新鮮で衝撃的だった。
国境越えや難民センターのシーンも、ただただリアルで息を呑む。
ファヒム達がフランスに移動してからは、両文化の違いが垣間見えて面白かった。例えば、バングラデシュではみんな遅刻するし、誰も待たない。フランスでは、英語で話すと受け入れてもらえない。
ファヒムは、どんどん言葉を覚えて友達を増やしていく一方、お父さんはなかなか文化に馴染めないままだ。大人になる=柔軟性がなくなるってことなのだろうか。
その象徴的なシーンが、ファヒムが急にナイフとフォークを使いだすのを、無言でじっと見つめる父。ちょっと物悲しい。
かと言って、お父さんは決して頭が硬いわけではない。一度聞いたフランス語は、(意味はどうであれ)ちゃんと記憶しているしね!
映画を観た後は、子供同士には国境なんて無いんだなぁと、つくづく感じた。境界線を引いたのは、大人だもんね。
改めて、難民問題について、深く考えるきっかけとなった映画。ありがとうございます。
塾の先生の協力はステキでした。
実話ということを知らなくて最後びっくりしました。