米アカデミー賞で史上最多となる4回の監督賞を受賞し、「男の敵」「駅馬車」「怒りの葡萄」など不朽の名作の数々を残したジョン・フォード監督が、自身のルーツでもあるアイルランドの小さな村を舞台に、詩情豊かな人間関係を描き出したヒューマンラブストーリー。アメリカでボクサーとして暮らしていたシーン・ソーントンは、戦いの場から身を引き、故郷のアイルランドに戻ってくる。他人の手にわたっていた生家を買い戻し、静かに暮らそうと考えていたシーンだったが、村の大地主で乱暴者のレッドもその家を買い取ろうと計画していた。シーンは村に着いてすぐに出会った娘メリー・ケイトと恋仲になっていたが、彼女がレッドの妹であったことから、事態はさらに面倒なことになってしまう。主演はフォード作品に欠かせないジョン・ウェインとモーリン・オハラ。1952年・第25回アカデミー賞では作品賞ほか7部門にノミネート。フォードが4度目の監督賞を手にした。ジョン・フォード監督生誕120周年を記念した2014年、デジタルリマスター版でリバイバル。
静かなる男コメント(3)
故郷アイルランドに戻り、その文化や気質、大自然に触れながら傷心を癒してゆく物語
若い頃 この地を訪れ、アィデンティティを再認識した監督の姿に重なる
静かなソートンと対照的な人々
〈アイルランド気質〉というものを これでもかと見せてくれる
今はもう無いと思われる 茅葺き屋根の家や
メアリーケイト(オハラ)の喋る ゲール語が面白かった
傷心の男を演じたウェインは 繊細で美しく
彼の知らない一面を 見たような気がした
気の強いアイルランド女は〈赤毛〉
というイメージがあるが
実際には〈赤毛〉は少ないらしいです
例えば、彼を尊敬する黒澤明が、ヒューマンドラマを描くと「赤ひげ」「生きる」のような「人生との格闘」になるが、彼は、あくまで叙情的にそれを描くことができる。
観終わった後に、幸せで温かな気持ちで席を立つことができるツボを心得ている。これも、ハートウォーミングな作品だ。
いや、全部見たわけではないけれどジョン・ウェインはかなり見たのでその中での話。
とにかく終盤のあのシーンは、宮崎駿もオマージュするなど名シーンとして名高いのではないかと思う。
清清しいし圧巻。
90年代にVHSで鑑賞