「ルーム」でアカデミー主演女優賞を受賞し、「キャプテン・マーベル」でマーベルヒーロー映画の主演も務めるブリー・ラーソンが、自身の出世作ともいえる「ショート・ターム」のダスティン・ダニエル・クレットン監督と再タッグを組んだヒューマンドラマ。ニューヨークで自立して暮らす主人公の女性が、関係を絶っていたホームレスの父親との再会をきっかけに、本当の幸せをつかむための人生を再び歩み始める姿を描いた。人気コラムニストのジャネットは、恋人との婚約も決まり、順風満帆な日々を送っていたが、ある日、ホームレスになっていた父親のレックスと再会する。かつて家族のために「ガラスの城」を建てるという夢をもっていた父レックスは、仕事がうまくいかなくなり、次第に酒の量が増え、家で暴れるようになっていった。高校生になったジャネットは大学進学を機にニューヨークへ旅立ち、親との関係を絶とうとしたが……。
ガラスの城の約束コメント(20)
思うことがしばしばあります。
自分が親になって、息子達に伝える
言葉も、自分が母から言われていたこと
だったり…全く違う道を選んで、違う
人生を歩んできても、生き方の基本を
親から学び、感じ、無意識のうちに
身にしみているのだと感じます。
この作品のお父さんは破天荒過ぎ(笑)
で、虐待に近いかもしれません。
ただ生きて行く上で
大切にすべきことを、子供達に
十分に伝えられたのではないかと思います。
うまく言えませんが、それが子供達に
対する一番の愛情ではないかと思います。
仮面を被って体裁ばかりの家族より
生身の人間同士ぶつかり合う姿の
方が幸せな家族なのかもしれませんね。
そんなのんびりした性格ではあるけど、「ガラスの城」を建てることが夢であり、4人の子供たちとも楽しそうに会話をしているのだ。次女のジャネットは幼い頃に腹に火傷を負ったこともあり、キャプテン・マーベルのように勝気で、父親を諫めようとするも、父になだめられてしまう。
印象的なのは、金がないからプレゼントを買ってあげることができない代わりに「好きな星をプレゼントしてやろう」というところ。ダメダメ親父の割にはロマンティストで知識も豊富。嘘が嫌いだという割には大ぼら吹きだと子供たちが回顧する・・・
父のようにはなりたくない!とか思っていても、どこか父親の性格に似てきてしまうし、いい部分ばかりが記憶に残る。それほど突飛な展開はないけれども、ライフスタイルそのものが風変り。祖母の性的虐待なんかもさらりと触れるが、父もまた祖母との親子の縁を切ることはできないってところに共感してしまう・・・。どことなく山田洋次が作ってもおかしくないような、日本人にも通ずるホームドラマだったかな。
ろくでなしだけど心の真ん中に子供たちが居る。
すさまじ過ぎる、この崩壊家族。「万引き家族」どころの話じゃないぞ。
アル中のホームレス、とんでも言動の父親、もはや病気だ。母親も負けてはいない、絵ばかりを描いているネグレクト。ただ、この親たち、時に見せる子どもへの愛情はどうやら本物。
しかしこんな環境では子どもは生きられない。それぞれが自立していく、親への恨みを持って。でもここにも家族への愛、感謝が。
時に歪み、憎しみあい、そして時に笑い、愛しあう。離れようと思ってもどこかで離れられない。
「家族」ってなんなんでしょうね。いろんなことを考えさせられました。
自分は親にとっていい子だっただろうか、子にとっていい親だろうか。まあ、本作のような親にはなりたくはないが(笑)でも、本作のような親の方が子にとってはインパクトがあるいい親なのかもしれない。
もう何が何だか分からなくなる強烈家族の物語、
見る価値ありです。
悔しいが、子供達を本気で愛してその愛を伝えることができたあのダメ親父は、本質的な親としての役目を果たした気がする。
悔しいが認めざるを得ない。
最終的に、あくまで最終的にだが、どんな形であれ本気で愛すればいずれ伝わるのかなと思った。
こんな親父にはなりたくないが、たくさん学ぶことがあった。