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愛ちゃん物語コメント(1)
インディペンデント系邦画が好きなので、こういう映画も観るタイプ。しかしながら、静かで感情が揺れるみたいな映画は多い。カット割りや画質もあって、「仕方ない…」と言わせる作品も多いのが事実。しかしながら、今作は違う。とにかく世界観が凄い。そして、そこにきっちりと話が乗っていく。だから飽きないし余韻も来る。結構濃いのに意外とイケるんだからすごい。
愛ちゃん16歳。束縛する父との約束を破ったところから差し込む光に人生が変わり始める。ほんの眩しさから、一気に開かれていく感覚。終始作品は奇抜でどのカットも鋭利。たぶん「普通」はどこにもない。だからこそ思い切りが良いというか、ずっと観てられる。なんとなく想像は付いてくるが、それをしっかりと裏切りながら世界を広げていくので、気づけばどっぷり楽しんでいた。誰一人として悪者は出てこないのも好感だし、ピー音使ってみるたりするなど、映画を遊んでいる。こなしている。
主演は坂ノ上茜さん。アミューズの若手女優で、ドライブレコーダーのCMでも割とインパクトを残している。そんな彼女が主演なので、演技力もそれなりにある。だから割とトーンがくっきり出ているし、可愛さが段々と増していく。派手な恰好なのに似合うのが凄い。この調子で売れてほしい。
大人に牙を取られないうちは派手にやってほしい。ただ、今後もやっていくならもっと器用さも必要となるだろう。火薬の量を調整できる人を見つけなければいけない。それだけ個性とアイデアが爆発している。火傷注意、強烈な作品。