トジコメ

ネタバレ！ クリックして本文を読む
TV
MA
Adult Language, Adult Content, Graphic violence
THE FOLLOWING IS FOR MATURE AUDIENCE ONLY.
Viewer discretion is advised.
オープニング・クレジットの始まる前に音声付きのガイダンスって、個人的には見る腰を折られて超が付くほど白けてしまう。何故なら、本作品を製作したのがコンサバ・ニュース・サイト"The Daily Wire" だからで、前に一度、2021年に日本で公開もされていたJK版ダイ・ハードと勝手に個人的に呼んでいる『ラン・ハイド・ファイト』を彼らはリリースした時は配給権を取得だけで今回の映画が一から製作した初めてのオリジナル作品となっている。

The lord is my shepherd, I lack nothing.
Daily Wireは、彼らがハリウッドの風潮や指向があまりにも左翼的であると考え、メディアのエンターテインメント部門を作成する予定であったことから、会社自体の存在意義をそこに見出している事が一つ挙げられる。その会社だからこそ、アメリカのコケージョンを中心にコンサバという伝統的志向を反映した価値観を持つ人たちが右寄りな映画やショーを作成することを目的にしたネトウヨ・サイト的な意味合いが強いことを意識しながら．．．

Watch out for false prophets. They come to you in sheep's
clothing, but inwardly they are ferocious wolves. By their
fruit you will recognize them. Do people pick grapes from
thorn-bushes, or figs from thistles? Likewise, every good
tree bears good fruit, but a bad tree bears bad fruit. A good
tree cannot bear bad fruit, and a bad tree cannot bear good
fruit. Every tree that does not bear good fruit is cut down and
thrown into the fire. Thus, by their fruit you will recognize them.
15年ほど昔の映画に『アダムズ・アップル』という旧約聖書のヨブ記とアダムとイブの失楽園を合体させたものをベースにブラック・ジョークをコメディにプラスした一風変わった映画があった。その中の登場人物がデンマークの至高と呼ばれ、王室から勲章も授与されているマッツ・ミケルソンが主人公の更生施設を兼ねた田舎の教会の牧師イヴァンを演じていた。その物語にもアップルパイにまつわるエピソードが聖書をベースにしているわりには結構見易く、面白く描かれていた。
ところで上に示したセンテンスは主人公のジェシカがドラッグ・アディクトで母親として子供に対してネグレクトに時折なるほど疲れ果て、とどのつまり自分の亭主から最悪の状況に追い込まれた時に偶然に聖書の文を読むことで映画の中で家族の温かみと優しさを知り、彼女が人として自分自身を取り戻す重要な場面で出てくる。リンゴと言えば不法・不道徳・不義の快楽の象徴として禁断の果実とか知恵の果実と言われ旧約聖書の『創世記』にも出てくるけれどもこの映画では別の意味で登場し、ベンジャミン・フランクリンがいい感じで出てきたので彼のお言葉の共時性から．．．

"The rotten apple spoils his companion."
悪いリンゴとは、"問題を引き起こしたり、赤の他人に迷惑をかけたりする人で具体的には、その行動が悪影響を及ぼすと定義されるなら、このフランクリンの言葉は、トラブルメーカーの行動が「1つの悪いリンゴが大樽全体のリンゴを全て台無しにする」ということわざにもなっている。

If the apples have turned don't throw them out unless they're
completely rotten. Otherwise, cut out the bad spots and keep
the good parts. Not many people know this secret, but these
apples make the best apple butter.
TV MAという映画の視聴制限"R”以上とされているけれどもあまりそれほど性的にも暴力的にも過激に感じられなかったのが本当のところで幼児性愛者の描写も中途半端で限られていたし、むしろロマン・ポランスキー監督の与太話の方が上回っているような？　失礼ファンの皆様？
そんな上映時間の70％がパントリーで行われる極度のワン・シチュエーション・ドラマとしてあなた・いわゆる一般の視聴者が忍耐を試される悪い意味でもよい意味でも．．　はっきり言って、面白くはない映画と言えるかもしれない。でも．．．？
映画のストリーや話の流れ、そして場面展開などどれをとっても芳しく思えないけれども二人のお子さんが雨の中でも頑張っていたし、そのうえ、上の子は自然な演技で忙しいママを気ままに困らしていたところがとても感じがよかったのがこの映画の唯一言ってもよい印象に残るシーンとなっている。その雨のシーンは彼女のスタンドダブルの子役ペネロープ・マートンの活躍も大きい．．．　拍手ものです💕

今、話題のカルト教団の悪質な献金問題もこの映画のような終わり方をしてほしいとただ願うだけの無力な人間と改めて自分を見つめることができたので．．．　それとこの映画製作者をネトウヨ呼ばわりをしたけれども作品はそれほどイデオロギーまみれの代物ではなく、心のどこかで落ち着く感じがするラストを迎えている。映画自体は面白くありませんけど、何か？