埼玉県の岩槻で実際にあった地域猫捜索の模様を記したノンフィクション「迷子のミーちゃん
地域猫と商店街再生の物語」(木附千晶著)を原案に、オリジナルキャラクターやストーリーを加えて映画化。「太陽」以来9年ぶりに映画主演を務めるイッセー尾形が、主人公となる頑固な元校長先生に扮した。校長職を定年退職し、妻に先立たれて一人暮らしをする森衣恭一。堅物で偏屈なことから近所でも浮いた存在で、訪ねてくるのは亡き妻がかわいがっていた野良猫のミイだけ。追い払おうとする森衣をよそに、ミイは毎日妻の仏壇の前に座っていた。そんなある日、ミイが姿を見せなくなり、気になって探し始めた始めた森衣は、同じようにミイを探す人々がいることを知り、その交流のなかで「いなくなってからでは伝えられない気持ち」に気付く。、「60歳のラブレター」「神様のカルテ」の深川栄洋監督がメガホンをとり、染谷将太、北乃きい、岸本加世子らが共演。
先生と迷い猫コメント(20)
映画でも、猫を飼う侍とか、猫を乗せてるタクシーとかとか。
本作は、猫にまったり癒される先生…とはちょっと違うんだな。
奥さんを亡くした元校長先生。頑固で偏屈で、近所から煙たがられている。
そんな先生を訪ねるのは、奥さんが可愛がってたのら猫。
最初は鬱陶しかったが、次第に気になり始める。
そんなある日、猫が突然居なくなり…。
埼玉県で実際にあったという猫失踪事件を基にしたハートフルにゃんこムービー。
居なくなったのは猫だが、これは奥さんの意味合いもある。
居なくなって初めて気付く大切さ。
また、猫を探しているのは先生だけじゃなく、近所の人も。
猫探しを通じて周囲の人たちと触れ合っていく。
確かにほのぼのとして優しい作品。ラストは思いの外しんみり。
でも、淡々としていてちょいと引き込まれる要素に欠けた。
後、勿論猫ちゃんの可愛らしさは拝めるが、あくまで主役は人。
猫ちゃんを可愛くたっぷり見たい!…という人には物足りないかも。
イッセー尾形の妙演はさすがの芸達者っぷり。
猫ちゃんは可愛かったが、イッセー尾形の演技を見てるだけでも楽しかった。
猫に限らず動物って、人と人とをつないでくれる力、可愛さ、やさしい気持ちを無償でくれるよね。
見つかってたらいいなぁ。
結局、迷い猫は見つからなかったけれど、プライドの高さが邪魔をして刺々しかった人間関係が、柔らかくなっていく姿にホッとさせられた。
迷い猫は無き妻からの贈り物かも。何処かへ消えてからの元校長の取り乱しぶりが痛々しい。
伊豆下田の風情ある街並みが物語の雰囲気に合っていた。