ゴースト・トロピック
プロット
ベルギー
02月02日 劇場で
DIVE ダイブ 海底28メートルの絶望
プロット
ドイツ
02月02日 劇場で
コット、はじまりの夏
プロット
アイルランド
01月26日 劇場で
唐獅子仮面 LION-GIRL
プロット
日本
01月26日 劇場で
エレクション 黒社会
プロット
香港
01月26日 劇場で
獣手
プロット
日本
01月27日 劇場で
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アナザーラウンドコメント(20)
一見、評価の難しい作品ですが、実は緻密に伏線を仕掛けながら上手く回収し、シンプルな題材でも深い部分まで描けています。
本作のメインとなる題材は「飲酒」で、国により飲酒に関する法律や慣習が異なることも重要です。本作を見れば分かるように、実はデンマークでは高校生が平然とお酒を大量に飲んだりしているのです。
まずメインの登場人物は、高校教師と3人の同僚。
主人公は、歴史を教えるマーティン。仕事と家庭で上手くいかずに行き詰っています。
そんな時、心理学を教える同僚が、実在のノルウェー人哲学者が提唱していた【血中アルコール濃度を常に0.05%とするのが理想。するとリラックスでき、仕事の効率が良くなり想像力がみなぎる】という理論を紹介するのです。
行き詰っていた生真面目な主人公がこっそり一人で実践したことにより、仲間4人でこの理論を「仮説」として「検証」することに。そしてキチンと論文としてまとめることにします。
その条件として、「ノーベル文学賞を受賞したヘミングウェイは毎日、夜8時まで飲んで執筆していた」という逸話を参考に、「夜8時以降と週末は飲酒禁止」というルールを設定。
当初は、テンションが変わることで授業などもマンネリから好転し上手くかみ合い出します。
ただ、そもそも「血中アルコール濃度を常に0.05%とする」とは、ワイン1,2杯分の量のアルコールを飲み続けないといけない、という設定です。
そして人間というのは、より上を目指そうという欲が出て、血中濃度0.05%を超えるとどうなるのかも試したくなっていきます。
そこで、さらに論文は次の段階へと進むのですが、どのような展開が待っているのか?
「飲酒と偉人」という面で偉人らの逸話が出てきたりと、興味深い話も出てきます。
ただ、私たちは「飲酒の怖さ」を知っているので、彼らの状況を客観的に観察することもでき、まさに❝人間とは❞という「人生讃歌」の映画として成立していることが分かるのです。
本作の特徴の一つに音楽の使い方が絶妙で上手い、というのもあり、特にラストへと向かう楽曲のチョイスは、監督から本作への捉え方のメッセージのようで、全てをまとめ上げるのに相応しいものとなっています。
北欧•デンマークの(我が国の常識から見れば)ネジの外れた飲酒事情を知ることは無かったと思います。
異国文化を覗き見ることが出来たうえに、「北欧の至宝」ことマッツミケルセンが踊るキレキレのジャズバレエを堪能できるので、大変お得な映画です。
それだけではなく、お話についても
「鬱屈を抱えた仲間たちが」、「事態を好転させるために悪い事をはじめる」、「最初は上手くいくも」「徐々に深みにはまり、とりかえしのつかないことが起こる」、「すべてを失ったのちに残るものは…」
みたいな話かと。
これは、ジャンルは違えど、私の好きな邦画である「日本で一番悪い奴ら」とも共通する骨組みだし、こういうタイプの映画が大好きって人は結構いるのではないでしょうか。
幕切れについても、お酒のネガティブな側面をクローズアップさせたのちに、もう一回ポジティブ面も描くという説教臭さを抑えた着地。
それをマッツミケルセンがダンスで体現するという洒落た演出が良かったです。
ただ、「中年の危機」モノとして壊れた夫婦関係も描くのはいいとして。
奥さんが浮気してましたは微妙かな。なんか唐突かつ、腑に落ちない展開に感じました。
「マンネリでギクシャクした関係に陥った→酒で一瞬修復しかけたかに見えた→やっぱり生活が荒れて、より一層関係悪化→そして…」で良かったような。
悪い飲酒とそれによる弊害を描いているわけなので、パートナー側の責任に転嫁するのは何だかな…と。序盤のギクシャクした家庭の風景がよく出来ていたので蛇足ではないでしょうか。
とかく北欧っていうと「かもめ食堂」のほわほわした感じとか、IKEAのシンプルでお洒落な家具とか思い浮かべがちです。
「北欧のそういう面に憧れる人には、本作とミッドサマーを観せてあげたいなあ」などと思い至りました。
私はお酒が大好きな人間で、お酒の楽しさを知っている。
お酒のおかげで得た楽しい出来事もあれば、お酒のせいで失ったものがあるという経験は、かなり共感した。
お酒との付き合い方はここ数年考えなければならないというのも感じていた。
私はお酒に関わる仕事をしているのもあって、ほんの数ヶ月前まで毎日お酒を飲んでいた。浴びる程飲んだりもしていた。それで失っているものが多い事も感じつつ、やめずにいたが、友人に禁酒を促され禁酒した。お酒のない生活も慣れたら思いの外強く欲する事もないし、生活がしやすくなった。
でもやっぱりお酒を飲む楽しさを知っているし、お酒の場も好きだし、向き合い方を知っていかないといけないと感じて、飲み始めたところのこの作品だった。
好きに生きればいいと最後の歌では言ってくれた。
主人公達はお酒のおかげで生徒たちを導けたりもしていた。
アルコールのパーセンテージが上がっていって、歯止めが効かなくなって、怪我をしたり、おねしょしたり、私生活がぼろぼろになる。
その流れはとても共感できて、飲んでる時は自分がなんでもできる感覚になって好き勝手やるけど、結果次の日など、後悔しかないという状況はお酒を飲む人にとっては身に覚えがあるのではないでしょうか?
みんな反省して実験をやめるが、トミーはそのまま飲み続けて、アルコール依存症になる。
そして死んでしまった。
死ぬ直前にピーターが生徒に少しお酒を飲ませて試験をしているシーンで、「失敗をしたらまず失敗を認める」みたいな事を言っていたんですよね。
それが、トミーは失敗を認めずお酒をやめる事をせずにいたからという伏線回収もあった。
作品としてとてもストレスなく観れたけど、少し説明が多いなとも思った。
(私が無言の演技や展開が好きというのもあるので、、)
良い風に言えばわかりやすいのでしょうが。
とにかく、お酒を飲む自分にとっては身近な問題として教訓の多い作品でした。
最後に、マッツミケルセンこんなにかっこよかったっけ!?
寝顔にちょっとドキッとしてしまった。
ステキな役者さんだと改めておもいました!
自分もお酒は好きなので、酔っているときの楽しさや高めのテンション、大きくなる気持ちはわかる。でも、本作のように、お酒の効果を仕事に活用するって発想はなかった。テンション上げる必要もない仕事だからだけど。
血中アルコール濃度を常に上げて、仕事への効率と意欲を引き出せるか?って実験はたしかに面白い。でも、個人的な経験もあって、たどり着く悲惨な結末も少し見えてしまう。
依存症って、肉体的な依存と精神的な依存があって、精神的なものが厄介なんだよな。依存したくなる環境、状況、精神状態が改善されないと何回でも繰り返してしまう。彼らは仕事に活かそうと実験を始めたのだが、お酒に逃げたくなる状況を抱え込んでいたからあんなことになったってことだ。そう考えるとかなりシビアなラストになると思っていた。実際はむしろ前向きな雰囲気さえ感じるラストだった。これって、酒に酔ってるような感じを演出してるだけなのかな。それとも、嫌なことや逃げ出したくなる現実があったとしても、人生はそれ自体が素晴らしいってことを伝えようとしていたのか。後者であってほしい。現実逃避する手段があったっていいじゃないか。気をつけなければいけないのは、飲みすぎないこと習慣化しないことだ。そうやって酒飲みは今日も理由付けや言い訳をしながら酒を飲むのだ。