空気人形

6.7/10
合計15件のレビュー
ジャンル   プロット
ランタイム   116分
言語   日本語
地区   日本
書かれた   是枝裕和
劇場で   09月26日 2009
この映画を見たい?
 映画を見たい    しない

50% 欲しいです,合計 114

レビュー  |  共有する 

空気人形 プロット

女性の「代用品」として作られた空気人形ののぞみに、ある朝「心」が芽生え、持ち主の秀雄が留守の間に街へ繰り出すようになる。そんなある日、レンタルビデオ店で働く青年・純一に出会い、密かに想いを寄せるようになった彼女は、その店でアルバイトとして働くことになるが……。「誰も知らない」「歩いても
歩いても」の是枝裕和監督が、業田良家の短編漫画「ゴーダ哲学堂
空気人形」を映画化。主演は韓国の人気女優ペ・ドゥナ。

空気人形 俳優

空気人形 写真

空気人形 Related

獣手オンラインで映画を見る
獣手
プロット  日本
01月27日 劇場で
白日青春 生きてこそオンラインで映画を見る
白日青春 生きてこそ
プロット  香港・シンガポール合作
01月26日 劇場で
コーヒーはホワイトでオンラインで映画を見る
コーヒーはホワイトで
プロット  日本
02月16日 劇場で
MONTEREY POP モンタレー・ポップオンラインで映画を見る
MONTEREY POP モンタレー・ポップ
プロット  アメリカ
03月15日 劇場で
RED SHOES レッド・シューズオンラインで映画を見る
RED SHOES レッド・シューズ
プロット  オーストラリア
03月15日 劇場で
アクターズ・ショート・フィルム4オンラインで映画を見る
アクターズ・ショート・フィルム4
プロット  日本
03月03日 劇場で
バカ共相手のボランティアさオンラインで映画を見る
バカ共相手のボランティアさ
プロット  日本
03月22日 劇場で
ハンテッド 狩られる夜オンラインで映画を見る
ハンテッド 狩られる夜
プロット  アメリカ・フランス合作
02月23日 劇場で
沖縄狂想曲オンラインで映画を見る
沖縄狂想曲
プロット  日本
02月03日 劇場で
天国と地獄 LIVE AT BUDOKAN 1987オンラインで映画を見る
天国と地獄 LIVE AT BUDOKAN 1987
プロット  日本
01月26日 劇場で
ポーカー・フェイス 裏切りのカードオンラインで映画を見る
ポーカー・フェイス 裏切りのカード
プロット  オーストラリア
03月01日 劇場で

空気人形コメント(20)

Kmshxipgson
Kmshxipgson
ネタバレ! クリックして本文を読む
11年前の作品。原作は未読。このサイトで自分の生涯ベスト5の1位を掲げているにも拘らず、レビューを書いていないことを改めて気付かされて頂いたのが、フォローさせて貰っている“風希”様のコメント。なので改めてDVDを鑑賞してのレビューを試みる。
実は、今作は1回も映画館でスクリーンを鑑賞していないのである。当時はCMで、主演のペ・ドゥナが小部屋内の天井に吊された太陽系惑星達の模型らしきもの(ビニール風船)と戯れるカットが印象的だった位のみに記憶していた。その後、DVDで始めて観たきっかけが思い出せないのである。そして1位にした理由も忘れてしまった。粗筋までは忘れてはいないが、どんな詳細な感想を抱いたのかさえ朧気である。唯々、映像が透き通っていて、もの悲しい、そして唐突な展開の驚きのみが心に沈殿していた。
原作は未読ながら漫画家業田良家自体は『自虐の詩』の作者としては存じ上げていた。大変哲学的な内容であり、人間の本質を鋭く抉る画風は、是枝監督も食指が動いたのであろう。
そもそも“ラブドール”(年配な自分ならば“ダッチワイフ”の名称の方がピンと来る)そのものが、現代における物言わぬ虐げられる対象としてのメタファーを孕んでいる物体なので、その物体が“心”というものを得ることでその目を通じて人間達をどう見て解釈するのかという建付けがベースとなっている。なのでストーリー展開としてはそれ程難しくはない。勿論、細かい設定描写の穴は露呈しているし、その穴を埋める想像力、又はスルー力を持ち併せないと本作を愛する事は不可能であろう。赤子のように自我が芽生える順序は飛んでしまっているし、始めからある程度の知恵が混入されているのは、そもそも人形だったときからの持主由来の知識を蓄えていた所から、生命そのものを封入されたのではなく、能動的に身体を動かす事により、その意味を探求していくという方向が正しいのかと思う。指摘すべきか迷うが、ストーリー上どうしても事実をねじ曲げてしまったものは、“ラブドール”そのものの物体である。これは、空気を充填するソフトビニール製という材質で、その材質の特製が今作に深く表現として関わっている特性なのだが、実際は本当に安価でクオリティの低いまさに“おもちゃ”そのものである。そして作中に映っているそれは空気を必要としないシリコン製の精巧な人形。突き詰めると物語自体破綻しかねない事実を監督がどうエクスキューズしているのかは未調査であり、これこそ“華麗なるスルー”力を発揮する最大の案件かもしれないと、蛇足かな?w
冒頭の持主の何とも言えない気持ち悪さの演技は板尾創路の真骨頂だろう。進化を自ら封印してしまった男のよすがは物言わぬ人間の形を成したビニールのみ。そのうら悲しさと不気味さは抑えても滴り落ちる艶な演技で負の本能を表現している。ビニールが軋む音は何とも言えない堕落さを醸し出している演出だ。そして、雨粒から心を封入された人形を演じる裵斗娜(ペ・ドゥナ)の裸体の美しさは誰もが魅了されるだろう。パフィーニップル気味の乳房だけでも、ロリータを彷彿させる幼さを表現せしめている。
人形としての残骸である、繋ぎ目の線や手が冷たい事、そして呆け気味の言動も、いかにも人形やロボットに心が宿ったらこうなるだろうと想像し易い演出であり演技をしっかりこなしている。
そしてここからは、「私は心を持ってしまいました 持ってはいけない心を持ってしまいました」と何とも悲しいモノローグが挿し込まれる、人間との世知辛い現実に塗れる。そして夜は気の乗らない持ち主とのお夜伽。そんな辛い経験を積みながらも、それを忘れるかのように、綺麗なもの、輝くものを探しに当てもなく彷徨う覚束なさもしっかりと観ている者に届く。
作品は、薄いが群像的構成にもなっており、身寄りのない男女の老人、メイド美少女マニア、受付嬢の年増OL、過食症の女、そして訳ありの父娘のそれぞれの現状を淡々と差込まれる。メインのレンタルビデオ店員との恋愛の危なっかしさも相俟って、それぞれの繋がりが重層的にサスペンスフルに昇っていく。分かり易いように“代用品”という、替えが利く現代社会を、『DVDは映画の代用品』、『あんたの代わりは幾らでもいる』等々胸を抉るような、所詮、人間も人形と同じ立場に置かれている現実を訴え続ける。人形は繋ぎ目をファンデーションで隠すことを覚え、映画の知識も身につけ、人間に近づく自覚を覚え始めた矢先に、レンタル店での仕事中でのハプニングで片思いの彼に正体を晒してしまうが、その“災い転じて福と成す”処置が、益々愛している時のトキメキを体現してしまう。その演出のアイデアは、勿論原作由来とはいえ秀逸だ。彼の息で体中が満たされる具体的愛情表現を見せられたことでこれ以上ない多幸感のクライマックスを、あの部屋の中の星の風船との戯れのカットで浴びるのである。尚且つ、正体がバレても余り動じない彼の何気ないが意味深の言葉『僕も同じようなものだ』が、この先の重要なキーワードとして楔を打つことをどれだけの観客は気付けるだろうか。
ここから潮目が変わる。ストーリー構成としてこれ程の『禍福は糾える縄の如し』を演出した緻密さは素晴らしい。愛する事が“生”ならば、終わりは必ず訪れる。それは“老い”であり、“死”である。警官による自転車のタイヤへの空気入れ、お爺さんの言葉『蜉蝣は卵だけが詰まっていて、その他は空っぽ、胃もない』は、影が差してくる展開を素直に表現している。“愛する”と言うことはその副作用として“嫉妬”や“独占”がもれなく付く。勤め先の店長からの恐喝まがいの強制性交、彼の元カノのお古のヘルメット、持ち主が新しく購入したラブドール。意を決して持ち主との対面で、自分の存在価値を確かめても、そこには愛情は無く単なる性欲処理としての立場を突きつけられる悲しい事実。これでもかと人形に不幸が降り注ぐシーンの連続に居たたまれなさが加速してゆく。
次の行動は少々説明不足が否めないが、自分を作った創造主(神であり親)である人形制作者に逢いに行き、救いを求めるのは、人間の信仰心を表現したものだろうか。『君が見た世界は悲しいものだけだった?美しい綺麗なものも少しはあったかな?』の台詞は人形を今一度気付かせ、思い出させてくれる。そして愛する彼の元へ向かう原動力を、空気のように注入される。
だが、彼との性愛は齟齬が存在していたという又一段落ちる悲恋の演出。それは愛情表現というよりも結局は持ち主と同じ欲望を満たす“代用品”としての役割。しかし彼の息で満たされる喜びには勝てない人形は、その生死を彷徨う危険なゲームに身を委ねてしまう。それは愛する彼への無償の奉仕。そのお互いの意識のズレが、前半のフリの回収を、この奇妙でエロティックな濡れ場?の後に仕込んでいるのである。人形は全てを理解していない。愛する男の言葉をストレートに信じた挙げ句、男の腹を割いて自分も愛されたように愛したいという衝動を実行に移すのだ。ストーリー展開としての白眉はここに極まる。出血多量で死んでしまった彼を“燃えないゴミ”置き場へ捨てた人形は、自分も又後を追うように“燃えるゴミ置き場”で、自ら集めたこの世で綺麗なもの、輝くものに囲まれながら、空気漏れを塞さいでいたセロテープを外し、元の人形へと戻る。息が絶えるその刹那の夢は、あのTV版ヱヴァンゲリヲンを彷彿とさせる“生まれておめでとう”シーンだ。この切なさがスクリーン一杯に溢れ出て、悲しみが支配する中で、身寄りのない件の老人二人が邂逅し、そして最後迄物語と交錯しなかった過食症の女が、ラストに人形を眼下に、本心からの「綺麗」という言葉を吐く。それはまるで、人形が成しえなかった“生きる”ということをバトンタッチされた、そんな生への連続性を覗かせる演出である。
今作品は、声高に何かを訴えることはない。醒めた目で淡々と俯瞰したカメラの目が、それぞれの登場人物を追う。ドキュメンタリー出身監督だからこその映像なのだろうが、その冷徹さの中の芯を喰った“情愛”をしっかり溶け込ませた仕上がりである。劇中で参照されていた吉野弘著『生命は』の一節は、今作のテーマをしっかりと提示している。それは「生命は自分自身だけでは完結できないようにつくられているらしい」の節に現れている。私もあなたも誰かのための虻だったし、風だったかもしれない。それは今の時代に於ける格差社会、分断社会を痛烈に非難し、その処方箋を提示しているようにも思えるのだ。繋がりの具体的な線は意識しなくてもよい、繋がりそのものの本質が意識出来ていれば、人間は救い合える。人形の目を通したこの社会を見事に描いた今作の印象深さを改めて堪能できた事に感謝したい。
emqixvc
emqixvc
心を持った人形がすることは人殺し。
空虚だ虚無だと人を不安にさせる変な映画。
出てくる人はみんな人格破綻者です。
気持ち悪いです。
Mikospgsxnh
Mikospgsxnh
誰もが心に隙間があって、
そこを埋めてくれる何かが欲しい。
それがたまたま「空気人形」だった。

喧騒鳴り響く東京が、
すごく寂しく見える作品。
Noskmghxpsi
Noskmghxpsi
やっぱりこの監督が作る映画はよく分からなくて私には合わないなって毎度思う....
ただただ主役の空気人形が可愛いだけ
Hognxskispm
Hognxskispm
ネタバレ! クリックして本文を読む
アンニュイだけど大人の童話のような映画です。空気のような映画でした。ラスト一寸まえまでのストーリーもすごくよかった。
人形が人間になるあたりはよくできてました。ラストもきれいでよかった。
板尾創路はああいう役うまいですねえ。人形役のペ・ドゥナ、片言具合がまたいい味出しています。すごく人形みたいでした。