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イノセント・ボイス 12歳の戦場コメント(2)
人の死を心配する余裕なんてない
それがあまりにもリアルだった
世界中あちこちの地域で起こっている内戦。ほとんどの内戦にはアメリカが絡んでいる。この映画にも米軍兵士がちょっとだけ出てきましたけど、犬にエサを与えるような仕草で子どもたちにチューインガムを与えていました。「アメリカっていいな。チューインガムをいっぱい食べられるんだ。チューイングボンじゃないよ。ガムだよ。」と思ったかどうかは窺い知る余地もありませんが、少年チャバはバスの燃料まで飲んでしまってアメリカ嫌いに拍車がかかりました。
主人公たちの住まいは政府軍とゲリラの境界に閉じ込められた小さな町。夜になると外出禁止。銃撃戦は日常茶飯事だった。そんな中でも『小さな恋のメロディ』や『リトル・ロマンス』風の淡い恋心は芽生え、“紙のホタル”で幻想的なデートを楽しむ子供たち。星だって23万個まで数えられちゃうのです。だけど、戦争はいつでもやってくる。近所の友達は銃撃戦の犠牲となり、楽しみだった学校も登校停止。一時の平穏も奪われてしまう・・・
内戦の悲しさは、親しい仲であっても敵・味方に分かれてしまうこと。友達は徴兵され政府軍へ、ベト叔父さんはゲリラ軍。憎みあってるわけでもないのに殺しあうなんて・・・安全な地域まで逃げるしかない。人を殺すなんて嫌だ!自己防衛のために銃を構えたチャバが最後まで撃つことをためらったことに反戦への祈りがが見えました。