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僕らのワンダフルデイズ プロット 日本 11月07日 2009 劇場で
さよなら、僕らの夏 プロット アメリカ 06月10日 2006 劇場で
僕らの方程式 プロット 日本 10月04日 2008 劇場で
革命の子供たち プロット オーストラリア 04月04日 1998 劇場で
革命前夜 プロット イタリア 03月09日 2013 劇場で
人間革命 プロット 日本 10月06日 1973 劇場で
ベルリン、僕らの革命コメント(4)
豪邸に忍び込み、家具・装飾品のレイアウトをメチャクチャに変え、盗みは一切行なわずにただ「金持ちに恐怖感を与える」ことで資本主義社会への抵抗を繰り返す。「ぜいたくは終わりだ。教育者より」というメッセージを残し、貧富の差の拡大や金持ち優遇政策の政府に対する革命意識を持つ二人の青年、これがヤン(ダニエル・ブリュール)とピーターの裏の顔なのだ。社会に何の疑問をも持たずに生きている若者よりは、理想を追い求める彼らの姿が新鮮に見えて共感を生むのです。彼らの怒りの矛先が間違っているんじゃないかと思える点を除いて・・・
ピーターの恋人ユールも社会に不満を持つ一人。ひょんなことから、ヤンとユールの2人だけで彼女が恨んでいる金持ちの家に忍び込むことになって・・・というスリリングな展開。ここまでくれば、ヨーロッパ的なクライムムービーの典型的コースを辿るかと思いきや、彼らには崇高な革命家としての自覚があるためか、誘拐や殺人のような犯罪を潔しとしない。意外なことに、『アルプスの少女ハイジ』に出てくるような山小屋でノスタルジーを感じるほどの回顧主義や、男女三角関係の葛藤を中心とした青春映画の趣を見せてくれる。
世の中に変革をもたらそうとする思想と、生活を守るためにその信念そのものが変化してしまう人生。自分たちは絶対にそうならないとつっぱろうとするが、大先輩の言葉に心が揺らぐ若者の心が手に取るようにわかるのです。しかし、大人は嘘つきだ。甘言によって騙され続ける搾取される側は、真実を見つめる力を持たなければ負けてしまう・・・と、若者たちはピンチに立たされた上に、自分たちの未熟な恋愛感情と嫉妬心によって崩れ落ちそうになるのです。後から考えてみると、ハーデンベルクというおっさんはどこからどこまで嘘をついていたのだろうかと想像するのも面白い映画だ。彼らも気づいていたのでしょう。それでラストの爽快などんでん返しに繋がったのかも。
エンドロールの巨大な通信アンテナが、彼らの意志が続いたことを表現していて、「面白い計画」がどんなものだったのかを想像するのも楽しい。
ゆるい雰囲気の中、それぞれの立場の意見が交わされ、
理解を深めてく、大人と若者。ラストも含め、誰も傷つかない平和で少しほろっとするよい映画でした。
若者の純粋さとオジさんの節操のなさを、日本の政治状況と比較しながら鑑賞してしまいました。オジさんの「頑張ったから」という理屈も少し分かるし、でも「お給料貰いすぎじゃない?」とも思うし。資本主義、社会主義云々の前に、拡大した格差はオジさん側からは変えてくれないよなあ。変わるのは、私達かと衆議院選挙前に思いました。
前半の閉塞的な印象から、一転して後半誘拐してからの開放的な印象に変っていく、流れが見ていて気持ちがいい。それを大きく崩すことなく最後まで行くので抜けがいい。
展開としては、もう一度バッドに振る裏切りも一つの選択肢としてあったと思われるが、それをしない。
それはこの作品の芯の部分、どこか青臭いながらもアナーキーで純粋な若者の精神を描くという意図があるからだろう。現実的ではないところあるが、そこは譲らないという。