黙秘 プロット

20年の歳月を経て結ばれた二つの事件の真相の鍵を握る、母と娘の心理的葛藤を描いたサスペンス・ミステリー。モダン・ホラーの巨頭、スティーヴン・キングの全米ベストセラー『ドロレス・クレイボーン』(邦訳・文藝春秋刊)の映画化。監督は「愛と青春の旅だち」「ブラッド・イン
ブラッド・アウト」のテイラー・ハックフォード、製作はハックフォード、チャールズ・B・マルヴェヒル、脚本はトニー・ギルロイ、撮影はガブリエル・ベリスタイン、音楽は「バットマン
リターンズ」のダニー・エルフマン、編集はマーク・ワーナー、美術はブルーノ・ルベオがそれぞれ担当。主演は「ミザリー」に次いでキング作品のヒロインをつとめた「フライド・グリーン・トマト」のキャシー・ベイツ、「ルームメイト」「未来は今」のジェニファー・ジェイソン・リー。共演は「サウンド・オブ・ミュージック」「女神たちの季節」の名優クリストファー・プラマー、「激流」のデイヴィッド・ストラザーン、「ラルフ一世はアメリカン」の英国の名舞台女優、ジュディ・パーフィットのほか、「トーク・レディオ」のエリック・ボゴジアンが顔を見せる。

黙秘 俳優

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黙秘コメント(14)

Nhpksxogsim
Nhpksxogsim
文句なしのサスペンス映画。
注目したのはセリーナとマッケイ警部の対決場面。
マッケイの報告書には状況証拠しかない。
状況証拠だけでは有罪にできないと言い放つ場面。
さすがデモクラシーの国は違うと唸った。
証拠があろうがなかろうが検察が起訴すればほぼ有罪の某国とはえらい違い。
これでは裁判官など居ても居なくても同じではないか。
Skipxnsmgho
Skipxnsmgho
ちょっとまったりしすぎ。スピード感に欠ける。
emqixvc
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『マイアミブルース』ヒロイン、ジェニファー・ジェイソン・リーが見れて嬉しかった。

寒々しい田舎が舞台のミステリーで悲しい話であったが、心暖まる結末でよかった。

午後ローで見た。元々は131分もあり、50分くらいばっさりカットされているため、劇場版もいつか見返したい。午後ロー見たことに若干の後悔はあるのだが、午後ローでなければ一生見もせず、存在も知らないままだったかもしれない。
Nssopxkigmh
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キャシー・ベイツがオスカーに輝いた『ミザリー』の原作者はスティーヴン・キング。
キングがベイツの為に書き下ろしたという小説を映画化した1995年の作品。

本作もキングの非ホラー作品。
『ミザリー』のようなサイコ・スリラーでもない。
しかし、これぞサスペンス!…と思わず膝を叩きたくなるほどで、本当に話が面白く、グイグイ引き込まれる。

NYでジャーナリストとして活躍するセリーナの元に、母ドロレスが殺人事件の容疑者となっているという連絡が届く。
久し振りの帰郷、久し振りの再会。
事件について、黙秘を続ける母。

母ドロレスは、町の金持ち夫人の家政婦として働き、その夫人を殺害した疑い。
目撃者、状況証拠、さらには夫人はドロレスに遺産を。動機は充分。
しかし、長年仕えて来て、何故今頃…?

実はドロレスは、以前も別の事件で殺人の疑いを掛けられた事がある。
皆既日食が起きた20年前のある日、ドロレスの夫が不審な死を遂げた。
事故死とされているが、当時事件を担当した警部は今も疑っている。今回の事件も。

ドロレスが関わる今回の事件と20年前の事件。
黙秘を続けていたドロレスだったが、やがてセリーナは母の口から、自身にも関わりある事件の真相と秘密を知らされる…。

キングがベイツの為に書いただけあって、ベイツがそれに応えた熱演。
母と娘の物語でもあり、セリーナ役のジェニファー・ジェイソン・リーも熱演。
演技派/実力派である二人の女優の演技合戦は本当に見もの。
クリストファー・プラマー、デヴィッド・ストラザーンら男性陣は憎々しさ際立つ。

過去と現在が巧みに、鮮やかに、重層的に交錯。
過去の事件の真相が明かされるシーン。皆既日食の雰囲気も相まって、圧倒すらさせられるほどインパクトのあるシーンとなっている。
見応えたっぷり、テイラー・ハックフォードの重厚な演出も素晴らしい。

過去と今回の事件、真相は意外と呆気ない。複雑に入り組んでいるとか、あっと驚くトリックが仕掛けられてる訳でもない。
が、その真相に隠された秘密…。
痛ましいほど。
特に、娘が関わる過去の事件は。

事件は、女たちの悲しみが浮き彫りにされる。
不審な死は不幸な女の友達…というある人物の台詞は戦慄すらさせられた。
確かに法的には間違ってるかもしれない。某天才変人警部なら決して見逃しはしないだろう。
でも、人としては…。
事件の秘密の中に隠された、母の愛。
皆既日食の闇の中に、黙秘を通し続ける。
Sfthrndesa
Sfthrndesa
久々に、勝手にスティーヴン・キング特集その13!
今回はサスペンススリラーの佳作『黙秘』を紹介。
原作となった中篇『ドロレス・クレイボーン』だが、実は
個人的にキングの著作中でも最も好きな作品のひとつ。

舞台はメイン州の小島リトルトールアイランド。
寂れた田舎街で起こった1件の老婆殺し。
容疑者となった女ドロレス・クレイボーンは、
20年前にも夫殺しの容疑を掛けられ、
証拠不十分で無罪となった女だった。
故郷を離れて記者として働くドロレスの
娘セリーナは、事件の知らせを聞いて帰郷。
事件の真相が少しずつ明らかになるにつれ、
セリーナは父親の死に係わる忌まわしい事実、
そして父の事件以来ずっと距離を置いてきた、
母親の心の内を知る事となる。

...

『ミザリー』のレビューでも触れたが、キングは
最初から本作の主演キャシー・ベイツをドロレス役
にとイメージして原作を執筆したそうな。実際、
彼女以外この役は出来ないと思えるほどのハマり役だ。
どんな相手にも辛辣な皮肉を浴びせる粗暴な女。
そこに見え隠れする人間としての確固たる“芯”。その一方、
娘に向ける複雑な表情からは彼女の脆さが垣間見えて見事。
セリーナを演じたジェニファー・ジェイソン・リー
も素晴らしい。彼女の神経質な存在感は、
セリーナ役に完璧なまでにハマっている。

主演以外のキャストもかなりの実力派揃いだし、
物語で重要な役割を果たす老婦人ヴェラも忘れ難い。
暗がりの窓辺に腰を降ろし、ドロレスに淡々と
語り掛けるシーンを覚えておいでだろうか?
あの眼。鬼火のように静かにぎらつく、あの青白い両
眼。

...

しかし肝心の終盤、セリーナと捜査官の対決にて、
セリーナ側の反論がやや説得力に欠けるのは残念。
(物語上ああいう曖昧な決着に持ち込むしか無い訳ではある)
デヴィッド・ストラザーンを除いた
男性陣の存在感もチト弱いかな。

また原作との比較で言うと、
ドロレスの息子2人がそもそも登場しない点が残念。
老ヴェラを苛む『綿埃りぼうず』やその正体にまつわる
衝撃の事実について登場しない点も激しく残念。
物語のテーマにも絡む重要な部分だったと思うので。
しかしいずれの改変も、物語の“キモ”である母娘の
ドラマをきっちり映画の尺に納める為の措置だろう。

...

そういった諸々の不満はあるが、良い映画。
実は本作の監督テイラー・ハックフォードの他作品は
観た事がなかったが、時系列が複雑に入れ替わる物語を、
過去と現在をひとつのシーンに同居させる
語り口でなめらかに繋いでみせて見事。
母娘の距離感を表すような寒々した映像も良いし、
ガラス/鏡が割れる不穏なイメージも頭に残る。
(あれは記憶が崩壊していくイメージなのだろうか)

そして、劇中で繰り返される台詞。
「Sometimes being a bitch is
the only thing a woman has to hold onto.」
(女が生きる事にすがりつくには、
性悪になるしか無い時もあるのよ)

サスペンス映画としての手腕もさることながら、
この映画はあくまで因縁を抱えた母と娘のドラマとして、
そして虐げられ続けた女たちのドラマとしてブれない。
最後の母娘の姿には、じんわり温かい涙が浮かんだ。

母は強し。
と世間は言う。けれどそれは、
母親という存在が無条件に強いという事じゃない。
我が子を守る為に己が傷付く事を彼女らが恐れないからだ。
捨て身だからこそ彼女らは強いのだ。だが裏を返せば、
母として生きる以上は無傷では生きられないとも言える。

スティーヴン・キングはこの原作を母ネリーに捧げた。
彼女は突然蒸発した父親に代わり、安い給料の
仕事を朝から深夜までこなし、幼い息子2人と
年老いた両親の世話をしていたのだそうだ。
彼女はスティーヴンが27歳の時に他界。
スティーヴンの初のベストセラー『キャリー』が
出版される、わずか2ヶ月前の出来事だった。

劇中のドロレスは逆境に耐え続ける。
泥臭く、口汚く、だが敢然と、苦境に立ち向かい続ける。
娘の為に強く強く生きようとするドロレスの姿は、
キング自身の母親の面影を残しているのだろうか。
どちらにせよ、ドロレスの姿を見て思うのはひとつだ。

子を想う母親ほどに、強く気高い者なんていない。

<了> ※2013.09初投稿
.
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余談:
投稿当時は気付いていなかったのだが、
キングの自伝的作品『小説作法』を新訳版
『書くことについて』として読み直した際に
気付いたことがあるので補足しておきたい。

『キャリー』のペーパーバック権が40万ドルで
売れたとの電話を受け、スティーヴン・キングが
思わず自宅の床に座り込んだのが1973年5月
(当時の彼は家族4人で家賃月90ドルの安アパートに住み、
年棒6400ドルの教師職をしつつ執筆を続けていた)。
スティーヴンの母ネリーが亡くなったのは1974年2月。
彼女は亡くなる前に息子の成功を知っていたことになる。

また、『キャリー』出版は確かに彼女が亡くなる
2ヶ月後の1974年4月だが――亡くなる間際の
彼女のベッド傍には、親戚が彼女に読み聞かせた
『キャリー』の校正刷りが置かれていたそうだ。