モーリス プロット

20世紀初頭のイギリスを舞台に2人の青年が織りなす禁断の愛を描き、1980年代の同性愛を描いた映画として高く評価された文芸ロマン。文豪フォースターが1914年に執筆したものの同性愛という題材のため出版がかなわず、作者死後の71年にようやく出版された同名小説を、「眺めのいい部屋」のジェームズ・アイボリー監督・脚色で映像化した。ケンブリッジ大学に通う青年モーリス・ホールは、良家の子息クライヴ・ダーラムと互いに惹かれ合う。プラトニックな関係のまま学生生活を終えた2人は、それぞれ別の道を歩みながらも交流を続けていたが、やがてクライヴは母に勧められた女性との結婚を決意。傷ついたモーリスは、ダーラム家の猟場番の若者アレックと恋に落ちる。モーリス役のジェームズ・ウィルビーとクライヴ役のヒュー・グラントは本作で第44回ベネチア国際映画祭男優賞を受賞。アレック役にルパート・グレイブス。日本では88年に劇場初公開。2018年4月から、製作30周年を記念した4Kデジタル修復版「モーリス 4K」として、88年公開時には実現しなかった無修正版でリバイバル公開。

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モーリスコメント(20)

mbhhas
mbhhas
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80年代の英国美男子ブームのきっかけを作った作品としても名高い「モーリス」(もう1作は「アナザー・カントリー」と言われている)。今回のリバイバル上映まで鑑賞したことはなく、てっきり美しく麗しい青年の睦み合いを拝むものかと思いきや、ストーリーは寧ろ、モーリスとクライヴという青年二人が離別した後の道のりに重きを置いていた。

同性愛が犯罪であった時代。良く知る人物が同性愛の罪で逮捕され重罰に処されたのを目の当たりにし、二人はお互いの関係からほんの少し腰が引けてしまう。そしてクライヴは女性と結婚をする道を選択し、モーリスはそれでも愛したクライヴの面影を追いかけながら自分の性的な嗜好に正直に(もちろん表向きには見せないが)生きる道を選ぶ。順風満帆に見えるのはクライヴの方だ。何不自由ない結婚をし、幸せな家庭を築いている。モーリスはと言えば、自分の性的嗜好に悩み苦しみ傷だらけになりながらその後の人生を生きている。ほんのひと時、同じ時間を共有したはずの二人は、以降正反対の人生を送ることになる。確か、先に想いを告げたのはクライヴの方だった。モーリスは寧ろ最初は怖気づいた方だった。しかし後になればクライヴは過去に蓋をして前を向き、モーリスの方が過去にとらわれ続けている。

そんな対極的な人生のその先に、モーリスはついにクライヴ邸の若い猟場番アレックに安らぎを見出す。人には決して言えない関係だけれども、モーリスはようやくひとつの愛にたどり着く。そしてそれはクライヴが遥か昔に手放し諦めた愛だった。自分には決して手に入れることはできないだろうと早々に捨てた愛を、まさに目の前で手に入れたモーリスの姿に、クライヴは呆然と立ち尽くしてしまう。それがラストシーンの窓越しのクライヴの表情に表われる。

私自身、クライヴの選択が正しいように感じながら物語を見ていたし、モーリスの傷つきながらしか生きてゆけない生き方をある種憐れんで見ていた部分もあった。しかし、最後にモーリスが手に入れた愛を見せつけられ、クライヴが思わず呆然としたのと同じ気持ちになった。回り道をし、傷だらけになったけれど、望んでいた愛にたどり着いた者。早くに愛を諦め、表向きの幸せを掴む道を選んだ者。どちらが正しいか、どちらが幸せかを考える時、映画の中腹でそれを問われるのと、ラストシーンの後に問われるとのできっと答えは変わるだろう。そしてクライヴもそのことを思い知らされたのだろう。大学時代に選択したわかれ道のその先。どちらも不幸でどちらも幸福だとしても、自分を偽って手に入れた幸せより、傷だらけでも自分に正直な姿で手に入れた幸せの方が美しく見えるもの。そんな問いかけを感じる一作だった。
Cnfleueowldotlcr
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(2021. 3 リストア版 再鑑賞)

以前見た時はヒュー・グラント美しい、と思った程度。

クライヴにある意味引きずり込まれるモーリス。
でもモーリスと比べると上流階級のクライヴには失うものが多すぎる。
同じようにシティで働くようになったモーリスも失うものの大きさや世間体を気にしてスカダーと衝突もする。
身分の違いがそこに大きく影響している。

最後のクライヴの窓の外を見ているシーン。
彼はモーリスと永遠にプラトニックな関係でいられると、そしてモーリスはずっと自分のことを愛し続けているのだと信じ込んでいたのだと思う。
AyeAncirrmc
AyeAncirrmc
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1895年にオスカー・ワイルドが破滅し、フォスターが原作を執筆したのが、1913年なので 死後の出版(1971年)になったのが、わかる
生涯独身で ゲイが足枷になっている

20世紀初頭の英国(フォスター執筆と同時期)
先輩のリズリーが「風俗壊乱罪」なる罪で、世間から抹殺されるのだから、クライブ(ヒュー・グラント)の恐怖も理解できる
リズリーは ワイルドで、クライブ はフォスターというところか

リズリーやクライブには、やや 先天的な資質を感じるが、モーリスは環境によって 同性愛に引きずり込まれた様な気がして、気の毒にも思う
(今後の苦労を思うと… )
リズリーやクライブの 知性や教養、その華やかな存在に眩惑されてしまう モーリス
魅力的な友人を 後追いしているうちに、(後天的)ゲイになってしまった

そして ジャガイモの様に素朴なモーリスに、リズリーもクライブも 惹かれてしまうのだから… (アレックまで… ) 無垢って、怖い
そして、変なオジサンに 迫られたりもする!

リズリーとクライブは 苦しみながらも 自己分析ができ、趣旨替えをしようが しまいが その選択に納得は出来るだろう(たとえ、破滅しても)
置かれた状況を イマイチ理解できていないモーリスに 一抹の不安を感じる

クライブが窓の外を 見つめて ふける想いは
モーリスへの愛か、喪失への悲しみか、
それとも、彼を引きずり込んだ 自責の念だろうか?
無垢で 純粋なだけに 怖さも感じるだろう
(召使たちの観察眼も 怖い!)

無垢で純粋は 美しいが、実社会では「愚かさ」の同義語にもなり得る
自己分析の 出来ないモーリスが 怖い
リズリーの弁護を 引き受けられなかった、クライブの自己保身を 責めることは出来ないが、無垢なモーリスを引きずり込んだ責任(罪)は 本人も忘れられないだろう
いまや、モーリスはクライブの後追いもせず、激情にかられ クライブの 手の届かない所へと、行ってしまった…

運命といえば 運命なのだが

脚本も撮影も、男達も美しい、完成された映画になった
リズリー、クライブ、モーリス、アレックス、皆 ぴったりの俳優を配している
特に クライブ役のグラントは 光と影を持った美しい青年で、モーリスでなくとも 魅了される
ちょっと タレ目の優しい瞳に 知恵(狡さ、保身、とも)が感じられ、クライブの成功を予感させる
ジェームス・アイボリー監督の 人を見る眼と美意識が、存分に感じられる映画となった

駆け出しの、ヘレナ・ボナム=カーターも ちょこっと 顔を見せている
pwbfdjb
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あの時代にLGBTの悲しみを正面から扱った映画があったのだなあと、ぐっときました。英国の上流社会の生活や自然が美しい。水田議員に見せたいくらいだけど、このよさはわかりゃせんだろうな。
veoyfcp
veoyfcp
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デジタルリマスターということで。

日の名残りとおんなじ感想ですが、若ヒューグラントかんわいい…
たれ目の美青年が同性愛って、内なる腐り成分を否定できない女の身には、たまらんものがあります。

えー、モーリス(金髪の主人公)は大学でクライヴ(若ヒュー)と出会いひかれあいます。
まあ、かわいらしいいちゃいちゃぶりですが、時は1900年初頭のイギリス。同性愛は犯罪の時代です。隠すしかありません。

そんな折、二人の共通の友人が、同性愛行為を摘発され、逮捕されます。
そのことに恐れをなしたクライヴは、モーリスとの関係を清算し、女性と結婚します。
当然モーリスはショックを受け、結構取り乱します。
クライヴは結婚後もモーリスと友人関係を保ちますが、モーリスとしては自分の性的志向にあらがえないので、クライヴんちの使用人男子と関係を持ちます。

んで、結局モーリスは使用人男子と一緒になったと思います(出国するんだったかなどうかな?)
ついにクライヴはモーリスを失ったというわけです。

話の筋、展開は、正直さよでっかという気持ちです。

ただ、若い人が恋と人生に翻弄されるというのはこういうものだよなっていう普遍を見出し、
1900年初頭(第一次世界大戦前)の同性愛の社会的扱いを思えばの、同情とが沸き上がりました。
また、この映画は1987年の作品ですから、2018年とその時代との差異にも思いが巡りました。

ダウントンアビーの使用人トーマスバローもゲイとして登場し、1910年代から20年代のイギリスにおいて、苦しみながら生きているのですが、
2010年代に作成された物語らしく、ゲイであることを知られながらも生きていけていることと比べても、見ました。

モーリス役の人が、その後のフィルモグラフィーが全然出てこない方で、
いまどうしてはんにゃろかとも思いました。

とりあえず、若ヒューの美貌を堪能したということです。