全財産を投げ打って、孤島の古城を買い取り、若い妻と理想郷を求める中年男の生活に逃亡中のギャングが侵入し、奇妙な人間関係が出来上がったり、こわれたり……。監督・脚本を「吸血鬼」「ローズマリーの赤ちゃん」のロマン・ポランスキー、協同脚本を「反撥」や「吸血鬼」などのジェラール・ブラッシュ、撮影をギル・テイラー、音楽はコメダ、美術をヴォイテク・ロマン等が各々担当。出演は「007は二度死ぬ」「ソルジャー・ブルー」のドナルド・プレゼンス、「柔らかい肌」「ロシュフォールの恋人たち」の故フランソワーズ・ドルレアク、「大空港」のジャクリーン・ビセット、その他、ライオネル・スタンダー、ジャック・マクガウラン、ロバート・ドーニング、マリー・キーン、イェーン・クォーリア、トレヴァー・ドラニーなど。
袋小路コメント(3)
サスペンス要素は皆無なコメディ路線まっしぐらで、人間の心理描写はグラグラに緊張感の欠片もない。
初期のロマン・ポランスキーの三作品を通して、女性に対する描き方が偏っているような、彼が犯した事件に納得してしまう変態さが滲み出ている雰囲気がプンプンする!?
一本立ちの鳩のカット。
古城のような家には若い妻とスキンヘッドのプレザンス。しかも変態チックに幼児プレイをしているのだ。そこで勝手に電話を借りていたリチャードと遭遇する。強盗がたまたまやってきたというシチュエーション。 白黒のため風光明媚な舞台も冷たい印象がある。そして鶏小屋。カラーで映すと違った印象になるのだろうけど・・・
心理描写が面白く、『水の中のナイフ』とは違い、主人のプレザンスが弱々しいところがいい。相棒の男が死んで、穴を掘るところ。妻の客人がやってきてしまい、リチャードが執事の振りをさせられるとか、3人の心理的優劣が変化する。