第七の封印 プロット

スウェーデンの巨匠イングマール・ベルイマンが、中世ヨーロッパを舞台に人間の生と死、神の存在を問いかけた異色ドラマ。ペストがまん延する中世のヨーロッパ。長年にわたる十字軍の遠征から帰還した騎士アントニウスは、自分の後を死神が追ってきていることに気づく。死を宣告されたアントニウスは、自分の命を賭けて死神とチェス勝負をすることになるが……。主人公アントニウス役にマックス・フォン・シドー。第10回カンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞した。2013年、デジタルリマスター版でリバイバル公開。

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第七の封印コメント(7)

Usdssnlcueocfus
Usdssnlcueocfus
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ベルイマンがずっと対峙し続けている虚無の問題が非常に色濃く描かれた作品でした。なにせ、実際に「虚無」という言葉が連呼されましたし。

宗教色が強いですが、個人的にはキリスト教の知識がなくてもそれなりに楽しめる映画だと思います。

「神の沈黙」がテーマのようですが、私はキリスト教の知識がないのでよくわかりません。しかし、いくら問いかけられても答えない神と、それでも神にすがろうとする人たちの関係性は、ネグレクトの親子に近いなぁ、と感じました。
子どもが困っているため助けを求めても、親は子を放っておき助けてくれない。これが繰り返されれば愛を感じられず、自分のルーツとのつながりを切断されるような状態になります。そのため自分自身をポツンと孤立した、ひどく脆弱でフワフワと漂う存在として実感することになります。自分の存在意義がわからなくなる。
騎士アントニウスと従者ヨンスは、親である神のために10年尽くしたが、親からのレスポンスは一切ない状況です。それ故アントニウスは親に執着し、なぜ愛をくれないのだと悩み、ヨンスはどうせ無駄、とニヒリズムに陥っています。

彼らだけでなく、本作に登場するほとんどの人たちが神のネグレクトを受けてます。疫病が蔓延する世界で救いがなければ、不安に圧倒されて先鋭化します。途中で登場する狂信者集団は、ネグレクトの果てに発狂した連中と言えそうです。
(まぁ、神ってもともと人間を救うような俗っぽい存在ではないので、私にネグレクトと言われるのは不本意でしょうが…神様ごめんなさい!)

そんな世界で生きてりゃ、ヨンスみたいに虚無になりますよね。ベルイマンは、こんな世界に生きていたのかもしれません。キツい!

今回、ベルイマンが提示した虚無への処方箋は、旅芸人一家です。彼らは恐怖ではなく仕事や家族に目を向け、現実世界を地道に生きています。彼らは人生の意味とか考えませんが、とても意味ある人生を生きているように見えます。
本作の登場人物たちはほとんどが恐慌・混乱状態で浮き足立ってますが、彼らだけが愛を育み事に仕え、地に足をつけて生きているように感じました。だからか、目の前の危機である死の存在を察知し、回避しようと動けたのかもしれません。

ベルイマンは本作を「頭で創った作品」と語っています。その逆の作品が『夏の遊び』だそうです。
本作はかなり緻密でスピード感もあり、破綻なく話が進んだ印象を受けます。しかし、『夏の遊び』のようなポジティブなパワーは感じませんでした。旅芸人一家の生き方は、おそらくこの時期のベルイマンには不可能でしょう。まさにアタマでたどり着いた答え、って感じです。
無意味さは見出せたが、意味獲得には至れず、といったホドロフスキー師匠の『ホーリーマウンテン』的ポジションの作品かな、と考えています。

キャラクターについての感想。死神がユニークで好きです。スマパンのビリー・コーガンのようなキモい風貌で、鎌ではなく糸ノコを使ったりしてチャーミングです。あのキャラが本作をポップなものにしているように思います。
ヨンスが助けた、後に彼の侍女のようになった女性がとても印象的でした。一行が行き詰まったとき、彼女だけはキラキラとした表情で死を切望していたように感じました。彼女は本当に絶望の人生を送って来たのでしょう。切なかったです。
神学者ラヴァルのカスっぷりも面白かった。ベルイマンの悪意を一身に背負ったようなキャラで、逆に惨めすぎて人間味がありました。

※追記
うっかり書き忘れていましたが、映画後半あたりでアントニウスが見せた誇り高き行動が強く印象に残りました。彼が取った、唯一と言っていい意味ある行動。
ベルイマンが虚無に対抗する手段として、旅芸人一家の在り方とアントニウスのある行動を挙げているように思いました。アタマでっかち感はありますが、直後に『野いちご』撮ってますから、やはり手ごたえはあったんでしょうね。
Gkipmxoshns
Gkipmxoshns
第七の封印が解けるとき、最後の審判が始まる
その時キリスト教会に帰依するものは天国に携挙され人類の滅亡から免れるはずだ
これらは聖書の黙示録に書かれてあることだ
つまり西欧人にとっては常識のこと
幼児の頃から刷り込まれて魂の一番奥底にあることだ

しかしそれは長く長く続く患難時代の果てのことである
献身に応えてくれない神
神の前での人間の死と虚無
今がその患難時代であるのならそれでも携挙を信じて、神の試練に耐え甘んじるほかないのだ

この現代に生きる我々はどう生きるべきか
どう信仰と向きあうべきなのか
それを本作は考えるべきものなのだろう

それぞれに人生に疲れ果てた人物
そして地に足をつけて今日を精一杯生きる旅芸人の一家
その対比にベルイマン監督の本作の主題がある

ラストシーンは旅芸人の若い夫婦と赤ちゃんの明るい陽光の下の幸せな暮らしが描かれる
つまり信仰なんか役に立たない
そんなものは人形劇のネタで十分

そんな事よりも地に足をつけた暮らしの方が大事だ
今ある命を精一杯楽しめと、そう訴えかけているのだ

しかし火炙りにされる魔女は恐怖と絶望の目をしていながら諦感している
それは神を否定したらこうなるという監督の恐怖の吐露だ
つまり理性は信仰から自由でも魂は呪縛されたままなのだ
騎士が救おうとするが手遅れと諭されて諦める
自分もこの呪縛を解くには最早手遅れであり、それでもなお、このような映画つくる自分への戒め、あるいは諦めなのかも知れない

難しいテーマでありながら、観る側を惹き付ける語り口と映像の力は流石というしかない
詩の朗読の様な台詞が深い

日本人にとって本作のキリスト教の信仰は分かりづらいのは確かだ
しかしそれを世間の目、周囲の期待、脱落者に厳しい社会、無言の同調圧力…これらによってがんじがらめに生きている日本人の息の詰まるような生活
いつ果てるともない長時間労働の日々、会社と家の往復だけの生活
そこに救いは有るのか?となぞらえて観てはどうか
皮相的かもしれないが、そのように観ても良いのではないか
仕事が信仰になってしまっていないか?と