50% 欲しいです,合計 142
レビュー | 共有する
青春の旅情 プロット アメリカ 11月21日 1961 劇場で
はだしの青春 プロット 日本 04月12日 1975 劇場で
ひとりぼっちの青春 プロット アメリカ 01月01日 1970 劇場で
ダイアン・レイン 愛と青春の鼓動 プロット アメリカ 10月12日 1990 劇場で
傷だらけの青春 プロット アメリカ 11月05日 1988 劇場で
わが青春のとき プロット 日本 06月07日 1975 劇場で
愛と青春の旅だちコメント(20)
下流の生活環境からの脱出物語は、仲間や家族から背中を押されて送り出されるパターンもあるが、多くは彼等に背を向けて自分の未来を目指して旅立つ。
それが恋人であっても、だ。
しかし本作の主人公は、父親をドライに捨てる定番どおりの脱出思考である一方で、惚れた女を迎えに行く白馬の王子様でもある。
邦題はこの二面構造を表現しているのであって、ラブストーリー色はそれほど強くはない。
舞台が海軍士官訓練学校なので、黒人軍曹から理不尽なまでのシゴキにあう。
それぞれに事情を抱えた訓練生たちが集まっているので、そこでの友情のようなものも描かれる。
差別的な言葉が教官軍曹の口から連発されるが、その是非を問うものではない。
戦場での躊躇は命に関わるだろう。
まして、士官なら自分の命だけでなく部隊や民間人の命をも左右するかもしれない。
だから、人格と肉体をイジメぬくことで精神力と体力を鍛え上げるということは、実際に行われているのだろう。
が、それは作品のテーマとは無関係。
地元の若者に「戦争屋」と野次られたために、叩きのめす場面がある。
地元の若者にとっては、一時的に町に滞在し女たちの羨望を総取りしていく彼らに、敬意など表せない。
この作品は、戦争を批判している訳でも、軍人を美化している訳でもない。
軍隊は現に存在し、訓練基地がある貧しい田舎町にはそこで生きている地元の人たちが現に存在する。
士官への道に人生を賭ける若者と、士官候補生と結ばれることでその暮らしから脱け出すことを夢見る女たちが、現にその環境に存在するのだ。
その事実を、物語を綴る材料にしているに過ぎない。
軍から教育と適正検査を任せられた軍曹は、個々の事情を考慮してなどいられない。
ただ、戦場で役に立つ士官を育て送り出すだけだ。
だがその厳しい訓練を生き抜いた教え子たちは、卒業と同時に上官となる。
彼らに対する敬礼の潔さ。
卒業の儀式なのか、一人一人から硬貨を受け取る。
それを右のポケットへ入れたり、左のポケットへ入れたりしていたが、そこに区別があったのだろうか。
だとすると、軍曹にも訓練生たちへの個別な思い入れはあったということで、 ルイス・コゼット・Jr.演じるフォーリー軍曹の人間味が垣間見える気がする。
リチャード・ギア演じる主人公ザックは、母親を守れなかった自己嫌悪の反面、自分を残して自殺した母親への恨みもあり、そもそも原因は父親だと思いつつも、父親のもとで生きるしかない、という矛盾に包まれた人物だと思う。
人生の起死回生を誓って入隊したはずだが、売人のような不正行為を働いてしまうのは、父親との生活で染みついた不良癖からかもしれない。
だが、それを咎められて罰を受けながら「他に行くところがないんだ!」と吠える場面は胸を打つ。
誰でも、これではダメだと自分を律しようとしてもついつい許してしまい勝ちだ。
しかし、本当に逃げ場がない人は、律し切れなかった自分を更に恥じて後悔するだろう。
その言葉を聞いたフォーリー軍曹は何を感じたのだろうか。
軍人一家の宿命を背負い、道半ばで亡くなった兄の代わりを務めなければならないシド(デヴィット・キース)とは熱い友情があったが、その非業の死による哀しみをも、ザックは乗り越える。
どうやって乗り越えたかは描かれていないが。
デブラ・ウィンガー演じるポーラは、親友リネット(リサ・ブロント)をシドを捨てたことで軽蔑する。
母親のことも、自分はそうはなりたくないと考えている。
でも、この小さな町には、そんな友も母も避けて暮らす場所などない。
女たちは皆、町で唯一の工場で一緒に働いていて、士官の妻になる夢を叶えられずにいるのだ。
映画は、クールな脱出物語からロマンスへと急展開する。
わずか3ヵ月程度の間、異邦人同志だから惹かれあっただけなのかもしれないのに、苦しい思いをして掴んだ未来に彼女を連れて行くことが、果たして正解だったのか。
先の結果は誰も知らない。
しかし、演出ではなく自然発生的にエキストラたちが拍手を送ったという、映画史に残るロマンティックなラストシーンには、公開当時20歳で観賞した時には得られなかった感動が、37年後の今この胸に迫るのだった。
それにしても、デブラ・ウィンガーは美しくキュートだ。
ルックスに反して野太い声は、玉に瑕だが…
夢、友情、そして愛。一生懸命に生きる若者たちは美しい。
ラストは名シーンですね!
何にもしなくても女が寄ってくるエリート様の姿を見て、一体何を学べと言うのだろうか。
まぁ時代が違うと言えばそれまでだし、一般教養として見ているので文句を言うつもりもないが、かといって自宅で見ていたら最後まで見れないなあ。途中で寝てしまうこと請け合い。