愛と闇の物語

5.9/10
合計12件のレビュー
ジャンル   プロット
ランタイム   98分
言語   英語
劇場で   02月19日 2021
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愛と闇の物語 プロット

「ブラック・スワン」のナタリー・ポートマンが監督・脚本・主演を務め、イスラエルの作家でジャーナリストのアモス・オズの自伝的小説を映画化。イスラエル建国前夜、幼少期のアモスが両親とともに過ごしていた英国統治下のエルサレムで体験した日々を描いた。1945年、英国統治下のエルサレムで父アリー、母ファニアとともに暮らす少年アモス。一家は、ほかの多くのユダヤ人同様に、迫害から逃れるためヨーロッパから移住してきた。しかし母のファニアは、戦争の恐怖と、その後に続く日々の退屈さによって心に影を落としていた。さまざまな不安や不満が鬱積する中、ファニアは持ち前の想像力を生かして冒険物語を創作しては、息子のアモスに語って聞かせていた。そしてアモスにとっては、母から物語を聞かされたことや詩を詠んでもらったこと、言葉や言語を教えてもらったことが、後の人生に大きな影響を与えていく。ナタリー・ポートマンが母ファニアを演じた。

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愛と闇の物語コメント(1)

Oihkmsgpsnx
Oihkmsgpsnx
ネタバレ! クリックして本文を読む
The only way to keep the dream alive, full of hope and not
disappointing is to never try to implement it. A dream brought
to life is disappointing. This disappointment is the nature of
dreams.           ラスト90分頃のアモスのラインより
ナタリー・ポートマン
エルサレム生まれで、3才まで過ごし、そして両親と共にアメリカへ... ハーバード大学とイェール大学に現役合格し、ハーバード大学で心理学の学位を取得した彼女は、この映画『愛と闇の物語』を使って幼い子供と若い母親ファニアの心理的プロフィールを創造している。

If you have to choose between telling a lie or insulting someone,
choose to be generous.
-I'm allowed to lie?
Sometimes... yes. It's better to be sensitive to be honest.
このラインは母親であるファニアと子供のアモスの何気ない会話の中にファニアの心に抱える問題が見え隠れする。彼女は息子に「一緒になって物語りを作りましょ」と誘い、そして、アモスのまだ発展途上の想像力に火をつけ、彼らの両方が英国統治下のエルサレムという完璧ではなく、不安な状況から逃れることを可能にする二人の精神的儀式を始める。彼らの日常の存在の洗い流された現実の無色のパレットは消え去り、彼らの創造した寓話には建国のパイオニア・ヒーローや敬虔なユダヤ教の修行僧とホロコーストを象徴する空を覆う黒い鳥がフューチャーされている。

You can find hell and also heaven in every room. A little bit of
evilness and men to men are hell. A little bit of mercifulness
and men to men are heaven.
アモス・オズの回顧録は彼とイスラエル国家が一緒に成人した過程をあたかも記録しているかのように、シオニスト左派の著名なメンバーである彼は、この映画『愛と闇の物語』からユダヤ人とアラブ人の関係修復の機会を逸したと見ている。作中、アモスと母親のファニア、父親のアリーと複数の国と関係を持つアラブ人家庭を訪ねる場面は、アラブのおもてなしの美徳を称え、2つのグループの間に常に存在していた関係の本質的な性質を示している。このシーンは、ユダヤ人とアラブ人の間に存在していたかもしれない平和に対する希望を意味しているけれど、アモスがアラブ人の子供に怪我をさせた後に、彼の両親がとった行動にもかかわらず、2つのグループ間の相互理解を見つけるのがいかに難しいかを描いている。
個人的な時系列として、アモスがイギリスに対する "モロトフカクテル" と呼ばれる火炎瓶のために空のボトルを集めたり、イスラエル市民が集まって国連の建国の決議をする放送を公開ラジオの前で多くの聴衆が聞き入り、ラスト、成長した若きアモスの人生の方向性がイスラエル国家の将来を見据えている。

Maybe you could finally tell me, what is it about you that I
love so much, you of all people?
役が女優の内なる魂を明らかにするかのように、彼女の作品によって映画スターを知っていると錯覚するように自分自身をだますことがある。アンネ・フランクとしてのナタリー・ポートマンのスター作りの目的の演劇や彼女を最も国際的に露出させ、有名にした何を考えているのか分からない蝋人形パドメ・アミダラ女王まで、彼女の汎用性の明確な結果としてオスカーを手にすることに... オスカーを獲得して以来になるポートマンの情熱的なプロジェクトになっている本作品。彼女の熱意は明らかで、すべてのシーンは美しく撮影され、厳粛な弦のフィルム・スコアが後についてくる。しかし、イスラエルは日当たりの良い地中海の国なのに、撮影する方法は、ユダヤ人がまだ東ヨーロッパにいるようにも映ってしまう... ハイコントラストとは無縁のカラーであるダーク・グリーンのモノトーンが映画全体を占めているために。
ファニアの子供時代への夢のようなフラッシュバックと彼女のシュールなファンタジーだけが、わずかに鮮やかなパレット色でしか映し出されていない。その事で同様のシーンの無限の繰り返しに見え、すべての瞬間に等しい重点を置くために、本当にその場面の長さよりも倍を感じてしまう。

通常の手段では、映画『愛と闇の物語』は素晴らしい映画であるべきで、映画の背後にある人の衝動の表し方は非の打ちどころがなく、誠実であり、ポートマンのパフォーマンスの欠点を見つけることは不可能と言える。
製作者として彼女の最大のミスは、物語を伝えるのをアモス少年ではなくて彼女のキャラであるファニアに焦点を当てていることであり、その表れが、映画の後半には、彼女の演技がほぼ独占的になっている。

She punishes herself only to punish me.
二日で2,3000人が、ナチスの手にかかるようなおぞましいホロコーストをかいくぐり、希望の地イスラエルに来たのにまた、親しい人の命が消えてゆく。そして何より愛情のない夫と愛情のない実母と愛情のない義理の母... そんなファニアの夢の世界は打ち砕かれ、空想の世界だけではしのげなくなった彼女のココロが徐々に病んでいく

ポートマンの父方がポーランド系ユダヤ人であり、ファニアもポーランドのホロコーストの生存者という共時性からか? 彼女が8年越しに伝えたいと熱望してきた話なのに... 企画当時、彼女は主演する予定はなかったと聞く、「私はイスラエルの女優を使いたかったが、そのような完全に商業ベースに乗れないプロジェクトの上に、初めての監督の私にお金を誰も出してはくれません。」と、彼女が監督としてカンヌデビューしたときにコメントをしている。そして、「私は、自分で役を演じるのに十分な年齢になっていたのです。」と...

映画『愛と闇の物語』は自意識過剰な芸術の瞬間を持っている
彼女は、ヘブライ語ではなくて英語にするようプロデューサーからアドバイスを受けたのにそれを固辞している。後に永年住んでいるアメリカの英語のアクセントを修正するのに大変だったと語っていたポートマン。
撮影は美しく撮られていても全体のモノトーンがラストにはファニアの病状に合わせたように更に拍車をかけ、全体の印象がただ暗いだけになってしまっている。
一切合切考えると、日本に来るまでにヘブライ語➡英語➡日本語と多くの翻訳家の手を通過するということは、伝言ゲームではないけれども映画の本質のニュアンスがかなり違ってしまう懸念も生じる。そしてついには採算の取れない "box-office bomb" の仲間入りをしてイスラエルとアメリカのユダヤ・コミューン対象だけのPV映画となり下がっている。 ファンの皆様、失礼

長らく、ソーシャル‐メディアの前から遠ざかっていたポートマン。2016年のINSIDERのインタビューで次回作の事を聞かれたいたけれども、その予定はないとの事。この意味は、この映画『愛と闇の物語』が6年落ちという事で、
イオンエンターテイメントの商いの仕方を好意的に捉えるか?
それとも安物買いの... と悪意にとらえる変人ってか⁉