「神と共に」シリーズのハ・ジョンウと「殺人者の記憶法」のキム・ナムギルが初共演し、行方不明になった娘を捜す父と彼を手助けする謎の男を描いたミステリー。妻を事故で亡くしたサンウォンは、自身も事故のトラウマに苦しんでいた。娘のイナを連れて新居に引っ越した彼は、イナとの間にできた深い溝を埋めようと努力するが上手くいかない。やがてイナは新しい友達ができたと笑顔を見せるようになり、一方でサンウォンはクローゼットから聞こえてくる奇妙な声に悩まされはじめる。そんな中、イナがこつ然と姿を消してしまう。必死で娘を捜すサンウォンの前に、彼女の行方を知るという謎の男ギョンフンが現れ、クローゼットにすべての秘密が隠されていると言うが……。
クローゼットコメント(2)
映画のオープニング...
祈祷師の身に起こるショッキングなシーンから...
そして、おおよそ22年を経て本格的に映画の幕が上がる
映画「クローゼット」の序盤は、目の前のプロジェクトに全神経を集中している一級建築士であり、この映画のメインキャラ、サンウォンの娘に信じられないような、一見して異常と思えるジャンプスケア演出を加えた怪奇現象が次々と起こり始める...
そこに現れたのが何故か胡散臭さそうなイケメン霊媒師ギョンフン... 彼が加わり、話がさらに進んでいく。
この前半の演出は、悪霊の対象となるのが、可愛い11才のイナちゃんなんだけれども、映画「アナベル・・」フランチャイズ映画のように心霊研究者の第1人者のロレーヌ・ウォーレン女史がご登場となる超常現象のエピソードを中心としたストーリー展開のパターンと、本作品はオマージュっぽく映っている。 ホラー・フリークならご存じかもしれないけど彼女はニュージーランドの大学で教鞭をとったこともある方で残念なことに2019年7月27日に92才で亡くなっている。ご冥福をお祈りします。ただ「アナベル」が、みせる超常現象だけで本当に解決が、出来たのかはハッキリしないところを韓国とハリウッドのホラー映画のテイストの折衷映画は、ホラーファンにとっては、有難く心置きないエンターティメント性のある後半の悪霊との対峙場面へとシフトしていく。
過去の自動車事故が引き起こした別次元とのリンクしやすい体となったサンウォンを演じていたのが、彼が出演している映画はダメ映画を回避できるフェイルセーフ的な役割を常日頃、していいただいている韓国を代表する俳優、ハ・ジョンウさん... ありがたい役者さんなんだけれども悪霊が何なのかを知った時、この映画に関してだけは脱力感や焦燥感を途中、感じてしまった... でも 超常現象が起こるイナの部屋に仕掛けたカメラの映像を覗き込む演出に二人と一緒になって、ついつい覗き込んでしまいました。
ラストのイナを必死で探すサンウォン父娘、霊媒中に亡くなった母とエクソシストになった勇敢な息子ギョンフン母子、娘の目の前で亡くなった母と死にきれない娘ミョン・ジン母娘へのお互いに向ける温かい思慕や愛情を見た瞬間に、自然と涙がホホを伝い...
いえいえ、嘘です... 号泣しました。
アナベルは、子供が恐怖の対象のようなシチュエーションに見えて、人形の得体の知れなさや人知の及ばない現象が映画のモットーのようなところがあり、子供たちというよりは、むしろハイティーン以上の年齢の悪夢を描いているようなところがあるけれど、本作品はモロに子供が関わりを持つ内容となっている。
フィリピン発のホラー映画「生き人形マリア」...
亡くなった3人の女の子の激似人形にまつわる恐怖映画の代表格
こう言っちゃあなんだけど誰が見ても低予算と分かる作品で、当然のように人形を演じていたのはお子さんという事と、人形に見せるために顔や手や足にウレタン製と思えるものをお嬢さんたちは顔全体や体に被せられていたので、フィリピンの高温多湿を考えるとある意味、見ていてもつらく、シラケさせられたのを思い出す。しかし、この映画は捨てたものではなく、親御さん達が最初はキショイと思っていた人形たちと一緒にいる時間が長くなると"どんな形でもいいから娘と会いたい"という親心が成す心の変化を描いた良い映画だったことには間違いがなかった。人形に扮していた可愛いらしい彼女たちのガンバリに拍手を送りたくもなったのも覚えている。 この映画もその点、多くの子役さんが出演し、イナちゃんを演じたホ・ユルさんをはじめ、もう一人の女の子ミョン・ジンちゃんを演じたキム・シアさんの超がつくほど素晴らしい演技には、ラーメンのスープの追い足しじゃないけど追い泣きをさせられてしまいました。
何と言ってもラストの悪霊との対決シーンは、キム・ナムギルという役者さんの若さ溢れるパフォーマンスとハ・ジョンウの言い知れない心の叫びの演技が融合し、それらを最大限に活かしたよどみのないシーンに盛り上がるしかいられないものになっている...
哀しいこころは悪魔になる... ホラー映画のジャンルの決まり文句
児童虐待の一つ... ネグレクト
記憶に新しい... 映画「虐待の証明/ミス・ペク」
仕事を理由に娘の心を読めなくなった人を描いている本作品... COVID-19禍、多くの大人たちの窮状だけをマスコミは取り上げている。もし、その家族にお子さんがいたら? 生活苦や日常が面白くない理由から子供たちは構ってもらえない存在なのか? この映画は、虐待に対して目を覚ましてくれる心の危険信号のオマージュ映画として、虐待する側に立つのか? それとは反対に子供と一緒になって暗い世の中を心豊かに過ごすのか? ... 分水嶺となっている。
観終わったら結局、彼、ハ・ジョンウさんの映画は外れ無しってか?