アリ地獄天国

7.8/10
合計22件のレビュー
ジャンル   プロット
ランタイム   98分
言語   日本語
地区   日本
劇場で   10月24日 2020
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アリ地獄天国 プロット

30代の現役正社員による3年におよぶ労働争議の密着したドキュメンタリー。長時間労働を強いられ、事故や破損を起こせば会社への弁済で借金漬けになる状況から、社員たちが自分たちの状況を「アリ地獄」と自嘲する引っ越し会社。

34歳の営業職・西村有さん(仮名)は、会社の方針に異議を唱えて、個人加盟の労働組合(ユニオン)に加入する。ユニオンに加入した西村さんに会社はシュレッダー係への配転を命じ、給料は半減、西村さんは懲戒解雇にまで追い込まれてしまう。ユニオンの抗議によって、解雇は撤回されたものの、復職後もシュレッダー係のままで、会社に反省の色は見られなかった。監督は「フツーの仕事がしたい」など労働問題に関する映像作品を数多く手がけてきた土屋トカチ。

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アリ地獄天国コメント(5)

hnkpuf
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ドキュメンタリー映画の時代だと言われる。現在、日本国内で上映中のドキュメンタリー映画は、トータルで実に58本にも上る(10月20日現在)。すべてのジャンルで最高の本数だ。

そして、今週末公開されるのが、運悪くブラック企業に再就職してしまった34歳の主人公(西村さん/仮名)が、理不尽な就業規則を押し付けてくるどす黒い引越し業社に屈することなく、個人加盟型の労働組合に加入して、徹底抗戦を仕掛ける「アリ地獄天国」だ。組合に加入した途端、営業職からシュレッダー係に回された西村さんは、会社前で抗議活動を続けるユニオンの委員長たちの前を通り過ぎて、ただ黙々とゴミを運び続ける。幾度となく抗議団体に詰め寄ってくる会社側幹部の"品のない大阪弁"が飛び交う中を。そんな西村さんの姿は、目の前にある過酷過ぎる現実に言葉を失いながらも、人は時として不屈のファイターになる得ることを僕たちに教えてくれるのだ。

何しろ、西村さんの冷静沈着ぶりには感服する。そもそも、彼は営業職から管理職にまで上り詰めた優秀な人なのだが、それにしても、マイクを向けられると、その時その時の自分の気持ちを噛むことなく、時折ユーモアを交えつつ説明できてしまうのは凄いと思う。本人曰く、「辛い時は自分を俯瞰で見下ろすことが得策」とか。これは災難時に覚えておくべき賢い対処法かもしれない。

そうして、いつしか観客全員を熱烈なサポーターにてしまう西村さんは、もしかして、ドキュメンタリー映画の主人公として類まれな魅力の持ち主かもしれないと思う。市井の人々に寄り添い、光を当ることで現代人が見落としがちな社会の闇を突きつける。ケン・ローチ作品も然り、それこそが、ドキュメンタリー映画の醍醐味だと再認識させる「アリ地獄天国」。59本目は特にお薦めだ。
oyvhsa
oyvhsa
たたベテランの年配層ならともかくどうして高給を稼がなきゃ特殊な業務ならまだしもそこまでしてそんな会社に勤めたいかな?さっさと辞めてしまえばいいと思うが あの状態で残ってたらやめざる終えないと思うけど‼️
hnkpuf
hnkpuf
「コロナ禍」で、ミニシアターは苦境にあるようだ。
しかし、「観に来て下さい」と大きな声で言えない厳しさ。(ただし、そのために、どこも今や「密集」はなさそうだ。)
自分も神経を尖らせながら、「不要不急」の誹りを覚悟の鑑賞である。
とはいえ個人的意見だが、鑑賞中は「密接」がなく呼気の絶対量も少ないので、映画館そのものは、「密集」して顔が正対しがちな電車に比べれば、けっこう安全に思える。
むしろ映画のために、都会を長時間移動することが大問題だろう。

映画は、2015年1月に主人公の“西村さん”が、営業中の自動車事故で、不当な弁償金を会社から要求されたことに端を発する。
“独自のルール”を押しつける“ブラック企業”に対し、個人で加入できる組合「プレカリアートユニオン」で団体交渉したところ、シュレッダー係にされるとともに嫌がらせを受け、給料も大幅に下がる。
それまでは、残業でボロボロになっても“独自のルール”に従い、部下にも要求していたというが、完全に変わってしまった。

作品は、2018年2月まで“西村さん”に密着し、裁判、団体交渉、そして、組合による抗議の街宣を映し出す。
2015年10月の街宣の際には、会社側の衝撃的なヤクザ的振る舞いが動画で拡散し、自分もその動画でこの件を知った。
その他、差別的な採用基準も明かされる。“ブラック”どころではない。

この作品の素晴らしいところは、一つは時系列も含めて、非常に分かりやすいことである。
背景や状況の進展、そして結末まで、何が起きているか分かる。“西村さん”側の一方的な主張だという、会社側の反論がナンセンスなことが理解できる。
例えば、会社は「度重なる遅刻」と主張しているようだが、すさまじいサービス残業時間をどう説明するのか?

また、監督自身の思いが、しかるべきタイミングで、しっかり込められていることも、観る者の胸を熱くする。
“ブラック企業”で苦しむ友人“やまちゃん”の撮影を断って、自殺を救えなかった悔恨。つまり、この映画には、もう一人の“隠れた主人公”がいるのである。
しかし、映像は感情に流されず、事実を伝えることに徹している。

この映画は、平時における“ブラック企業”による法令違反行為を扱っており、「コロナ禍」による“合法的”な雇い止めや失業に対して、直接的な関係は無い。
しかし、直近でも「サイ○○○でコロナ助成金の「不使用」が問題に」というニュースが出ている。
個人が組合に入って団体交渉することの顛末が、形ある映像として記録されているというのは、意義のあることだと思う。
tgkgdy
tgkgdy
ネタバレ! クリックして本文を読む
主人公の男性を父親は人として精神力が強いと話していましたし、監督は肝が座っているのだろうと語っています。
私ももちろんそう感じながらも強さだけじゃない何かを感じながら、穏やかで強がる素振りも見せない都会的に見える主人公の男性を、自分自身と重ね合わせて見ていました。
私自身のことごとく挫折して問題から逃げてきた職場での自分の半生と比べて、和解にたどり着くまで闘い抜いた彼をどう表現したらいいのか、すごいとしか言葉が見つかりません。
自分のためだけではなく、多くの仕事仲間にとっても理不尽だから闘いをやめないのだとの思いがあったのではないでしょうか。
周囲で理解し支えた人達からもそんな信念を感じました。
こんなドキュメンタリーを見せてくれるのだから、ミニシアターはやめられないですね。
npnnsee
npnnsee
歳月は人を癒すこともあるけれど、情熱を冷めさせてしまうこともある。この主人公が歩んだ忍耐の日々は尋常ではない。まずはこの男性のバイタリティには頭がさがる。自分であれば、さっさと見切りをつけてからアリさんと交渉します。在職しながらそういう運動はなかなかできないと思うし、何よりもそういう主人公に理解を示した家族の存在も大きかったと思います。