スピリッツ・オブ・ジ・エア

6.8/10
合計23件のレビュー
ジャンル   プロット
ランタイム   96分
言語   まだ情報はありません
劇場で   02月08日 2020
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スピリッツ・オブ・ジ・エア プロット

「クロウ
飛翔伝説」や「アイ,ロボット」「キング・オブ・エジプト」などで知られるエジプト出身のアレックス・プロヤス監督が1988年に手がけたデビュー作で、90年の第1回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭で審査員特別賞を受賞したSFファンタジー映画。荒野に佇む小さな家に2人きりで暮らす兄妹。足の不自由な兄フェリックスは、手作りの飛行機でこの場所から脱出することを夢見ている。一方、偏執的な気質を持つ妹ベティは、この土地を一生離れてはいけないという父の遺言を忠実に守り続けている。そんなある日、スミスと名乗る奇妙な逃亡者の出現をきっかけに、世界から隔絶されてきた兄妹の日常に変化が起こり始める。日本では91年に劇場初公開。2020年2月、デジタルリマスター版でリバイバル公開。

スピリッツ・オブ・ジ・エア オンライントレーラープレイ

スピリッツ・オブ・ジ・エア 俳優

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スピリッツ・オブ・ジ・エアコメント(9)

eiikma
eiikma
観た人ならわかる。
ファンタスティック映画というジャンルがもし正当な地位を得ているとするならば、

この映画がバグダットカフェに並ぶ20世紀屈指の名作であることを。

そんな映画が現在どのメディアでも入手不可能だという状況は信じがたいものがありマス。

ブルーレイで出せとは言わない。せめてビスタサイズで、残存フィルムからデジタルリマスターしてDVDで出してくれ。
売れなくてもそれだけのことをする価値がある。後世に残すだけの価値がある。

もし出してくれたら、すぐさまレンタル屋でレンタルする(だってどこにもないんだもん!)。

つーか手に入るようでしたらどなたか是非教えてください。
saidrlg
saidrlg
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美意識の強い絵作りな分、人間味がなくて眠い。特にヒロインのアバンギャルドな髪形とメイクと発狂ぶりがきつい。主人公はよくキスするなあと感心した。
obgezpp
obgezpp
映画館のスクリーンで観ておきたい映像美。
ただそれだけです。
oyvhsa
oyvhsa
ネタバレ! クリックして本文を読む
色褪せて赤茶けた大地、乾いた青空、廃墟のようなオブジェ、立ち並ぶ十字架、ゴシックな装いの女。何処を切り取っても、アート作品のように美しく完成されたビジュアル。

世界背景は詳しく語られない。ディストピアめいた荒野の一軒家に住む、足の不自由な車椅子の兄と、精神的に不安定な妹。兄は飛行の夢に取り付かれ、妹は父に倣って聖書に傾倒している。何者かに追われ北を目指す男がそこに辿り着くが、荒野の北は、壁の如き崖が立ちはだかり、人力で越える事はできない。兄は男に、崖を越えるため飛行機作りへの協力を持ちかけ、妹は、悪魔よ立ち去れと罵声を浴びせる。

稚拙な飛行機。失敗続きの実験、ヒステリックな妹の挙動、兄の盲信、ヒタヒタと近付いてくる追跡者の影。吹き抜ける風、軋む建屋、不安なストリングス、食器の擦れる音、空を埋め尽くす渡り鳥の羽音。
絶えず不安を掻き立てられ、私は、早くこの場所から解放されたいと思いつつ、本当に飛行機は飛ぶのかと疑念に苛まれる。映画の世界に引き込まれながらも、居心地の悪さにいつまでも尻が落ち着かない。

飛行決行前夜、妹は頑なに旅立ちを拒み、男の殺害を主張する。「何故心を開かないんだ。ほんの少し空を見上げてみるだけでいいんだ!」兄は叫び、喧嘩別れで終わったものの、妹を見捨てて旅立てない。残る決意をし、翌朝男を一人で空に送り出す。

飛び出した飛行機は風を捉え、必死に宙へと浮き上がる。閉鎖世界から漸く解き放たれる解放感と同時に、凄まじい喪失感が私の胸を握り潰す。
小屋の扉も、柵も、使える木材はあらかた、飛行機と滑走路に費やしてしまった。再びまともな飛行機を作り直す事は恐らく不可能だろう。成功の歓声を上げながら、遠ざかる飛行機に手を振り、「じゃあな。…じゃあな。」と小さく呟く兄の瞳の切なさ。私も多分、空に飛び立てず、見送る側の人間だから。
いつか生の終わる時、彼の魂は大気に解き放たれ、雲となって自由に漂えるだろうか。

作品の世界観には、何処か宗教的なメタファーも多く感じる。
十字架、聖書、追手の三人の人影は、東方の三博士を連想させる。だとすれば、ナザレの男は、自己犠牲を選んだ兄か、天に飛び立った男か。

乾いて淀むような世界の感触と、瞼に焼き付く赤と青の風景、神経を逆撫でするストリングスを思い返しながら、いつまでもつらつらと思索に耽っていたいと思わせる。
映画を好きな者として、これ以上贅沢な時間はない。
adhqowu
adhqowu
唯一無二のキャリアを築いた映画監督の長編第一作を紐解くと、後の作品へつながる胚芽が数多く見つかるもの。個人的に「最近のアレックス・プロヤスは元気ないなあ」と感じていた私にとって、近年デジタル・リマスタリングされた88年制作の本作は、限りある予算と条件を駆使して作られた、青臭くもビリビリ来るほどの表現欲求あふれる「野望の塊」のように思えた。「ダークシティ」や「ノウイング」などの商業映画に比べると構成面で退屈な箇所はあれど、しかし注目すべきはこの映像感覚だろう。何もないだだっ広い荒野と一軒家の対比、刻々と変わりゆく光と影、遠くにそびえる壁のような山々、そこに向けて羽を広げる奇妙奇天烈な男たちの姿など、見ているだけであまりにその絵力が強くてもうグイグイと引き込まれる。リアルタイムで鑑賞した人々が「こいつは必ず化ける!」と太鼓判押したのも頷ける。持ちうる全てを注ぎ込んだ才能の見本市のような作品だ。