野ゆき山ゆき海べゆき
プロット
日本
10月04日 1986 劇場で
みゆき
プロット
日本
09月16日 1983 劇場で
天使のゆびさき
プロット
アメリカ
01月01日 1900 劇場で
お嫁にゆきます
プロット
日本
07月22日 1978 劇場で
ピューと吹く!ジャガー いま、吹きにゆきます
プロット
日本
01月01日 2009 劇場で
堕ちてゆく女
プロット
フランス
04月03日 1998 劇場で
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ゆきゆきて、神軍コメント(20)
ただただ圧巻される
2015/08/31、DVDで鑑賞。
初めは頭のおかしい狂信的な偏執狂かとの印象を受けるが、終戦後、隊長命令によって2名の兵士(吉澤徹之助、野村甚平)が銃殺刑にされた真相を当時の上官を訪ねて問答を重ねるやりとりを見ていくうちにこの人のほうが筋が通ってるじゃないかと見方が変わってくる。
奥崎氏の声が早口で聞き取りにくいので字幕が欲しかったw
結論としてその2名の兵士が死ぬ前に現地人の村へ行って芋を死ぬほど食ってこようと軍隊を抜けだしたことで、もう終戦後だったにも関わらず逃亡犯とみなされて処刑されたということらしい。
妹尾実、妹尾幸男、浜口政一、原利男、会川利一の5人で処刑し、小清水隊長と丸山軍医が立ち会っていた。
各証言の関連性、関係性が見ているうちに混乱したので2回めはまとめながら観た。それを書いてみる。自分や仲間のの保身のためにどんな言い訳でどんな嘘をついているか興味深い。
元軍曹、山田吉太郎
入院中。吉澤徹之助、野村甚平、2名の殺害には関わっていないが、36連隊・本体であった「くじ引き謀殺事件」の証言者。
奥崎から病気を天罰だと拘置所から手紙を送られる。
この場面では何も証言しない。
妹尾実(高見)(分隊長、元軍曹)
引き金は引いたが照準は外した。
そのあと小清水がとどめを刺した。
妹尾幸男 (元軍曹)
現場にいなかったので知らない。
奥崎の追求におざなりに立ち去ろうとして、奥崎に掴みかかられ、馬乗りで殴られる。110番。
会川利一(元伍長)
6人の下士官 原利夫、妹尾幸男、稲葉 小島 妹尾実がいた。
逃亡罪をでっち上げられたということはない。
軍医が言うには野村甚平さんはあある部落へ言って仮死状態になったので置いてきた。
原利夫(元曹長)
自分が銃殺に立ち会った6人の一人かわからないととぼける。
二人は最も大切にした兵隊だったと言う。
本人と遺族の名誉のために言えないという。
本人たちは不名誉なことはしていないと証言。
遺族二人と握手して涙ぐむ。
遺族二人の前なら話すと言い出す。
敵前逃亡の罪を被せられたと漏らす。
自分の銃は不発弾だったと発言。
浜口政一(元衛生兵)
うなぎや、商売の邪魔だと家族からけんもほろろ。
引き金引いてない。
野村は栄養失調とマラリアでほとんど意識がなかった。
二人が土人の家にでも行って芋でも食って腹一杯になって死のうと言っていたと証言。それで脱走扱いになった。
銃殺の命令は小清水ではなく、軍から出た。
野村の弟に人間の肉を食ったという不都合な真実の口封じに殺されたのではないかと迫られるが、それはないと言う。
吉澤の妹に立場の弱い兵士から食料にするために殺されていったのではないかと詰め寄られるがそれはないと言う。クロンボ(現地人の肉)かシロンボ(白人の肉)なら食べたという。
丸山太郎(元軍医)
丸山診療所
小清水が小泉大佐の命令で仕方がないと言っていたような気がする。
小清水が命令した。小清水が悪い。
小島七郎(元軍曹)
電話で会話。
小清水は当然、恨まれて殺されていると思っていた。
小清水が軍の命令だと言って殺した。
小清水政男(村本) 元ウェワク残留隊隊長
原住民の肉を二人が食べたから処罰したと。
軍命令で白豚(白人の肉)はダメ、黒豚(現地人の肉)は食べてよしとお達しがあった。
処刑には立ち会っていない、とどめも指していない。
死体も確認していない。
妹尾幸男(2回目)
隊長が銃を五丁持って、来いと命令した。
二人は逃亡犯だと言われた。
一丁だけ空砲だった。
現場で小清水が撃てと命令した。
妹尾実、妹尾幸男、浜口政一、原利男、会川利一の5人で処刑し、小清水隊長と丸山軍医が立ち会っていた。
妹尾実(2回目)
小清水が直接撃てと現場で命令。
山田吉太郎(2回目)
橋本儀一殺害の真相を語ることを頑なに拒む。
靖国神社に参ることで供養していると発言して奥崎に切れられ、乱闘に。
話すことでいろんな人に迷惑がかかるという理由で発言を拒む。しかし、粘る強く説得され徐々に口を開く。
原住民が食わなかった。兵士の中でも自己中心的なものから選ばれて殺され、食料にされた。
自分はジャングルで生き抜く知恵があったから、殺されなかった。
最初の方に祈祷師のような格好で出てくる、銃殺された兵の一人、吉澤徹之助の妹、崎本倫子が、妄想のように濡れ衣で処刑されて食料にされたと言っていたが、まんざら妄想ではなかったのが恐ろしい。吉澤徹之助、野村甚平の2名は食料にするために殺されたわけではなかったが、本隊の方ではそういうことがまかり通っていたのだから。
各証言者が初めは嘘をつくわけだけど、遺族や本人の名誉のためだとか、醜い現実を陽のもとにさらしても誰も報われないとか言っていたが、詭弁にしか聞こえない。やはりおざなりな罪滅ぼしで済ませて、今の平穏な暮らしを守りたかったのだろう。加害者はやったことを忘れるが、被害者はいつまでも忘れることができない、正にこれですね。
奥崎謙三は、大まじめに「田中角栄を殺す」と宣伝します。
奥崎謙三は、大まじめに天皇にパチンコ玉を打ちます。
一般的に奇行と呼ばれる行動をとる奥崎謙三を、まともである私達は「狂人」と呼ぶのでしょう。しかし、彼の様な「狂人」を作りだしたのは誰なのでしょうか。彼の様な「狂人」が作り出された原因は何だったのでしょうか。
「戦争」という言葉を並べるのは簡単かもしれませんが、「戦争」という名の下で行われる数え切れないおぞましい出来事全てを私は経験したことがありません。「戦争」という言葉から数ある想像しかできません。
だからこそ、私は決して彼を笑うことはできないのです。
私が、彼と同じく国家権力によって数え切れないおぞましい経験をさせられたとするならば、フィルムの中の「狂人」は、奥崎謙三ではなく、「私」であったかもしれません。そこには、数ある想像の中で「戦争」を論じていたまともな「私」は存在していません。戦争の「責任」をひとり背負わされた「狂人」と呼ばれる「私」が存在しているだけです。
この映画の前ではどんな映画も吹き飛んでしまいます。手塚治虫やマイケルムーアのフェイバリットでもあるそうです。
万が一見ていないならお見逃しの無いように。