韓国発のオムニバスコミック「奇々怪々」の1編「整形水」をアニメーション映画化し、美しくなりたいという人間の果てなき欲望と狂気を描いたサイコホラー。人気タレントのメイクを担当しているイェジは、幼少時から自分の外見に強いコンプレックスを抱えていた。タレントからは罵倒され、偶然から出演したテレビ番組では悪意ある書き込みをされ、自暴自棄に陥ってしまう。そんなイェジのもとに、巷で噂になっている「整形水」が届く。それは、顔を浸すだけで思い通りの容姿に変わることができ、後遺症も副作用もない奇跡の水だという。美しくなって新しい人生を歩むべく整形水を試すイェジだったが、しばらくすると周囲で不審な出来事が起こるようになり……。
整形水コメント(5)
I hope you can find your own happiness.
韓国発のアニメ映画として『白雪姫の赤い靴と7人のこびと』を見た方なら映画の質がピクサーとあまり変わらないその高さからすると本作『整形水』の作画のクオリティが時代遅れと言えば語弊があるかもしれないけれど動画になればより辛いものがある。だからホラー映画にしたのかと、うがった見方も同時にしてしまう。
最初は、暴力シーンにその粗削りなところが、いい意味で反映されていていたけど全編通じてならスムーズに動かない被写体には話も変わってしまう。
それでもスレッドの流れに期待をすると、女性が、美しくなればなったで、その反動で心が汚れ醜くなり、結末として、精神と肉体とのバランスのかい離がイェジに降りかかるラストを迎えると思っているとさすがウェブで人気のホラー・アニメのことはあるヒトヒネリ加えている。いや二つかな?
I just... I just wanted to be loved.
確かに人気のある韓国ウェブトゥーンアンソロジーを原作にしているだけのことはあるとスクリプトの前半の部分はついていけたけど後半になると思っていたのと違う方向に話が進んでいく為に置いてきぼりにされたようで話についていけず、ラストにはどうでも良くなるワガママな自分が出て来てもしまう。それでも映画を見ていると常に頭のどこかで何時になったら美容液のサイドエフェクトでイェジが醜くなるのかと不安が付いて回り不快なだけは感じられている。
さすがと思わせる恐怖を期待していると、ことのてん末は予想を裏切り、その事で逆に意味が分からなくなってしまった自分が情けなくもなる。
Producers Apologize For Body-Shaming Snow White Parody Poster
That Created Controversy At Cannes
付け加えるなら、この映画と表と裏の様にカンヌ映画祭で『白雪姫の赤い靴と7人のこびと』が物議を呼んでいた。それは、映画のポスターが、主人公の一人二役のスノーホワイトとレッドシューズが使用前・使用後のようにデブは醜く、スリムは美しいという人の見た目を馬鹿にしたり、批判したり、意見を言ったりする "ボディ・シェイミング(Body shaming)" にあたると子供さんを持つ親御さんから、この映画に強い抗議を受けて映画製作者側が公式に謝罪をしている。
この話は、『白雪姫の赤い靴と7人のこびと』があくまでも子供さんを対象にしている映画なので抗議をしたい気持ちが分かるけど大人でも外見を中傷する映画の内容には見る側も気を付けたくもなる。
羨ましくなることが、この映画に一つだけあるとするなら、主人公のイェジの変身前と変身後の二役と言ってもいい役を沢城みゆきさんが演じるとは... 失礼な話し、あまり声優の方のお名前を存じない者としては、以前、拝見した韓国「フュージョン時代劇」の一編で主人公の韓国の女性の声が画面との不釣り合いから沢城さんが演じたことですごく見やすくなったのを覚えている。だからそのドラマも好きになったし、沢城さんが吹き替えをすれば安心して見ることもできるようになってもいる。感謝しかない💖
テレビ番組の冠にもなっているガイヤ... ギリシャ神話での世界の始まりはカオス(混沌)で始まり、次に世の中の全ての原初神であるガイヤ(生命体)が生まれる。そのガイヤの夫が、我が子を嫌うあまりガイヤの胎内に閉じ込めてしまいガイヤの怒りを買うという伝説があるように本作ではその古典的伝説に共時性を見つけることができるかもしれない。
実写は韓国の方がお金も掛けてるし役者も上手いし優れてるのは知ってたけど、日本にはアニメがあるんだよって思っていたが、アニメも韓国キてますね
ストーリー展開も上手く出来てる
整形水、恐るべし色んな意味で面白い
※ ここの「オンライン試写会」で当たったものですが「感想をお願いします」という一方、85分の映画ですが「61分(1時間1分)以降のネタバレは避けて下さい」とのことなので、そこには触れないことにします。
さて、こちらの作品。
オンライン試写会では、韓国語に日本語の字幕がつきましたが、どうも実際の公開日(9/23)には、「日本語吹き替え版」と「韓国語版(字幕版)」が2つ用意されるようです(シネマート心斎橋さんなど)。
※ アメリカ映画等ではよくありますが、韓国映画では珍しい類型?
さて。
まぁ、お世辞にも「いい顔」とは言えない主人公が、ある薬を顔に使用したら…という趣旨のお話。日本以上に顔が重視され、整形手術も何度も行われる韓国では、物語自体は架空のものとはいえ、「あっておかしくはない」映画の類型だろうと思います。
そうすると、あら不思議、誰も「元の主人公」に見えないような姿になってしまうのですが、それがもとでいろいろなもめごとに付き合わされたり、親には困惑されたり(あなた誰?とか)、はてには…という趣旨の、やや短め(85分)の映画です。
日本と同じく、ツイッターやyoutubeなどの文化を前提にした内容がありましたが(上述通り、私が見たのは韓国語版(字幕日本語)ですが、それら自体は多少の差はあっても日韓共通で、「韓国独自のIT技術や文化を知らないとわからない」という類型はないと思います。
一応、分類としては何になるんでしょうか…「コスメホラーアニメ」なのでしょうか…?
とはいえ、お隣の国ですし、「誰だってかっこよくなりたい、かわいくなりたい」という考え方は変わらないものですし、そうそう理解に妨げがあるものではないと思います。
評価に関しては、上記のような特異な事情であること(先に見せていただいた代わりに、感想をお願いします、ということ)、また、減点材料があるとしても(ある・ないも含めて、ネタバレになりうる)書くと、ネタバレになるので、「便宜上の」フルスコアにしました。
…。一見すると「女性向けの整形をテーマにした韓国アニメ」と思うかもしれませんが、お隣の国とはいえ「手術を繰り返して無茶苦茶な顔になる」「手術を繰り返してお金を浪費する」という類型は隣国ではどうもあるようで(日本でも破産まではしないまでも、何度も手術するというのは想定可能)、「問題提起型のアニメ映画」という扱いになるのかな、と思います。
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(減点なし/特殊事情) 上記の観点から、「わかりやすい」「わかりにくい」も含め、ネタバレになる要素がありますので、便宜上、減点は一切行っていません。
(逆に言えば、感想文を書いていますので「なんじゃこりゃ」というレベルでもありません。61分(1時間1分)からのネタバレ禁止なので…あまり書けないんです。ごめんね)
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心の整形水とか記憶の整形水も必要ね。
ラストきもっ!ホラーじゃん!(最初からホラーなんだけど、また違うホラー)