ペイン・アンド・グローリー プロット

スペインの名匠ペドロ・アルモドバルが長年にわたってタッグを組んできたアントニオ・バンデラスを主演に迎え、自伝的要素を織り交ぜつつ描いた人間ドラマ。世界的な映画監督サルバドールは、脊椎の痛みから生きがいを見いだせなくなり、心身ともに疲れ果てていた。引退同然の生活を送る彼は、幼少時代と母親、その頃に移り住んだバレンシアの村での出来事、マドリッドでの恋と破局など、自身の過去を回想するように。そんな彼のもとに、32年前に手がけた作品の上映依頼が届く。思わぬ再会が、心を閉ざしていたサルバドールを過去へと翻らせていく。バンデラスが主人公の映画監督を繊細に演じ、2019年・第72回カンヌ国際映画祭で主演男優賞を受賞。第92回アカデミー賞でも主演男優賞、国際長編映画賞にノミネートされた。アルモドバル作品のミューズ、ペネロペ・クルスが家族を明るく支える母親を演じる。

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ペイン・アンド・グローリーコメント(20)

fzxuhfh
fzxuhfh
スガイビル札幌劇場(サツゲキ)の復活した後に観た最初の作品。グラファンで寄付したため、入り口と予告で自分の名前がありることに狂喜。高校生の頃、「レッドツェッペリン狂熱のライブ」や「ウッドストック」などの音楽映画から始まり、大学時代は彼女(現在の家内)とデートで通いつめた思い入れのある映画館。
映画は自分はうーんっていう感じ。
勝手に「ニューシネマパラダイス」的な内容と思っていたし。
でも、スペインの風景とペネロペ・クルスはキレイだった。
最後の方に出てくる、ある人のある部分が大きくてビックリした。
医者目線で言うと、主人公が患っている病気をよくぞ診断したものと思う。
djyxnu
djyxnu
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ペインアンドグローリーのペインのほうの身体的痛みや飲み込み難さ、喘息様発作については最初は原因不明のようで、精神的なものと思われましたが、最後、CTスキャンを撮り、原因がはっきりします。頸椎の前方の靭帯にトゲのような骨の出っ張りが出来て、食道を後ろから圧迫することで症状が出ていたのでした。頸椎後縦靭帯骨化症もみとめられました。フォレスティエール病と字幕には書いてありました。Forestier disease だと思います。フランスの医学者の名前が由来で、現在ではDISH(Diffuse Ideopathic Systemic Hyperostosis)びまん性特発性骨増殖症という症候群名で呼ばれることが一般的になってきたようです。CT装置は東芝製のAquillionという機種でした。東芝は医療部門をCanonに売却してしまったので、こうゆうかたちで、映画に残るのは技術者の人にとっては誇らしいことではないかと思われます。
原因がわかって、手術で良くなる希望が出てきて、同時に若い頃の恋人に再会でき、マドリッドの古美術商で初恋の左官職人がセメント袋に描いてくれたの自分の幼かった頃のスケッチを手にすることが出来て、ぐっと前向きになれたせいか、実際、手術のあとに復活して、自伝的な新作映画を撮るシーンで終わります。我々もまた、あの可愛い子役君とペネロペ・クルスに会えて、見終わることが出来ました。もう少し伸ばして、左官職人役の若い役者と監督が付き合い始めるみたいなエンディングにしちゃったら、ただのゲス映画になるところでした。くわばらくわばら。
実に羨ましい結末でした。実際はいがみ合ったり、嫌いなやつとは、一生実を結ぶことはないんですけどね。夢物語だったとしても、いい映画でした。
lcqksx
lcqksx
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アルモドバル監督作品はそこそこ追いかけている感じなので、なるほど~と思ったのだけど、あまり興味のない人にはどうなのだろう。アントニオ・バンデラスがかつてないほどかっこよくない、すっかりおじいさん。おじいさん同士の濃厚なキスシーンは苦手な部分。

監督としておじいさんになっても求められ、断るくらいの巨匠の立場はうらやましい。子ども時代の穴蔵での暮らしは楽しそう。しかし煙突がある感じがしなくて調理で、肺を傷めてしまいそうだ。
pifiur
pifiur
新型コロナウィルスが収まり切らない中で観たこのペドロ・アルモドバル監督の新作は、おそらく忘れられないものになるだろう。

監督自身を投影したと言われる初老の映画監督が主人公。過去の栄光を抱え今は病から精神的にもドン底状態で苦しんでいる。いわば隠居状況だ。過去の栄光によって舞い込んだ仕事から、ストーリーは回り始める。底辺だった彼に思いがけないことが起こり、彼は前に進み出す。すると状況もいい方向へと彼の背中を押す。・・・・これは人生を最後まで前向きに生きようという初老の主人公の再生の物語だ。

ノンフィクションならではのちょっとできすぎた感はゆがめないけれど、やはりこういう結末の方が気分がいいのは、この映画を見ている現在の状況のせいもあるのだろうか。あきらめてはいけない、人生は捨てたものじゃない、乗り越えて行こう、といった監督自身にも向けた人生賛歌なのだ。

メインの俳優たちがペドロ・アルモドバル作品の常連なのは、安定感というよりちょっとマンネリ感も感じてしまったけれど、ストーリーを彩る独特の色彩、インテリアデザインのセンスの良さは、主人公のファッションと相まって、変わらず健在。裏切ることなく、溜息ものだった。貧しい境遇として描かれる故郷の村の住居でさえ、牧歌的なテイストにこじゃれたアクセントが利いていて、思わずうっとりだ。飛び切り素敵なインテリア雑誌をみているかのようだった。

主人公の最初の状況に大いに共感する私にとっては、映画館での鑑賞再開を記念するにふさわしい作品だった。
qlitxp
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華やかに見える映画監督や舞台俳優の暮らしは、破天荒で病的で繊細で脆くて儚い。ゆえに美しい。
私もかつて芸能界に憧れた。あのまま進んでいたら、と想像するとき、煌びやかな照明に照らされる自分と、闇の中で苦しむ自分の両方が見える。そして重たい感情がこみ上げる。私は、そこで生きていけるほど、強くなかった、と。
映画を撮り続けられず、持病に侵され燻るような毎日を送る映画監督と、いがみあった主演俳優の再会の美しき痛さ。
互いの才能に惹かれ合い仲間となる中年男性間の友情。新しい芝居をつくる熱量と、さらに偶然の出会い。
中年男性同士のキスと今生の別れの美しさと切なさに泣く。初めての感覚に目が冴える。
回想シーンもさっきまで見ていた風景さえも最後には虚実が揺らぐ。虚実すらもうどうでも良くなるほどに喜怒哀楽の全てをリアルに感じることができた作品でした。

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