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バッド・チューニングコメント(9)
76年の物語。しかも自分が高校へ入った頃とほぼ同年代。聞いてた音楽も同じアメリカンロックだ。このリンクレイター監督は原曲をそのまま惜しげもなく使う。こりゃかなり懐かしいぞ!音楽聞いてるだけでもいい。内容なんてほとんどない。『アメリカン・グラフティ』と同じで一晩の物語。時代的にはアメリカ独立200周年記念で盛りあがっている年だ。
劇中の言葉にあったように“激動”の60年代、“失望”の70年代。日本でも“シラケ世代”という言葉が流行したように、アメリカでもベトナム反戦運動が終わって、若者の間には虚無感が蔓延していたことが覗われる。80年代が“過激”で表現されるということを言い当てるのはまるで預言者だ(笑)
エアロスミス、ディープ・パープル、キッスと有名曲のオンパレードだったが、タイトルはレッド・ツェッペリンの曲。しかし聞くことができない・・・
マシュー・マコノヒーがなぜか大学生役で登場。ベン・アフレックも尻叩きのチョイ役。
ストーリーはさほど重要ではない。むしろ彼ら若者たちが自発的にこの映画の内でうごめき(そのように演出、構成し)、会話と状況の中から自ずとテーマやメッセージが浮かび上がってくる仕掛け。この有機性こそが本作の最たる魅力。
『6才のボク』と『エブリバディ〜』を経て改めて本作を観るとなぜか痛いほど胸にしみた。リンクレイターの一貫した姿勢を感じたのもあるが、単に筆者が歳をとり青春時代がノスタルジーに昇華された面もあるのだろう。かくも齢と共に味わい方の変わる映画である。
とにかく、若かりし頃の有名俳優がめちゃくちゃたくさん出てて、そこが楽しい。
平和な日曜日にでも観るといい映画。