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ゼイリブコメント(20)
いやー面白かった。娯楽性とメッセージ性の融合が見事すぎる。凄くシンプルなストーリーの中にユーモアと強烈な社会風刺が効いてい本当に面白い。ジョン・カーペンター監督のセンスの良さを凄く感じた。
サングラスをかけろ!かけない!のガチンコ喧嘩は面白すぎた笑 いつまでやってんねん!とツッコミを入れたくなるほどの長丁場で笑った。ラストカットの強烈なインパクトも最高だった笑
プロパガンダやサブリミナル効果による洗脳という世の中の悪い仕組みが、特殊なサングラスをつけることによって見えてくるというSFを上手く使った社会風刺にも凄くセンスを感じた。
音楽も印象的でオープニングの曲から凄く良かった。
全体的にジョン・カーペンター監督のセンスの良さを感じる傑作SF映画だった。
エイリアンによる単純な地球侵略というSF作品ととらえることももちろんアリだが、その内容に含まれたサブリミナル効果による貧困、中産階級の誘惑という点が、現代に登場したトランプという政治家を予見していたような作品だったのだ。
ホームレスの主人公ネイダがたどり着いた工事現場での仕事、そしてドヤ街と表記されていたホームレス村。仕事が終わると、労働者たちは屋外に置かれたテレビを鑑賞している。時折映し出される海賊放送。教会では炊き出しするための台所道具が並べられるが、そこは一晩中聖歌が歌われていたため、興味を持ったネイダがそこを探索する。そこはレジスタントとなった労働者たちのアジトになっていて、ネイダは隠された段ボールからサングラスを拾った。
いきなり警官隊がホームレス村に重機を用いて解体作業が始まる。まったく説明もないこの制圧騒ぎでですでに胸ぐらを掴まれたように憤りを感じるのです。住処を壊され、抗う手段を持たないため、逃げ惑う住民たちの悲鳴がぐさりと胸に突き刺される。80年代、日本ではバブルが始まろうとしていたとき、アメリカではこうも富裕層、貧困層の格差社会があったのだと訴えてくるのです。
ふとサングラスをかけてみたネイダ。モノクロームの世界の中に人間じゃない者がいる!髑髏顔をした人間、さらに広告版や雑誌の文字がOBEY、 WATCH.TV、 SUBMIT、 CONSUME、 SLEEP、と変化しているのだ。文字の中にもサブリミナルが!と、それが徐々にエイリアンによる地球人の洗脳だったことが明らかにされていく・・・
もちろん作品の中ではエイリアンなのだが、これは時の政権プロパガンダを揶揄してのこと。当時はレーガンだったが、トランプが使うアメリカ・ファーストと同じものが含まれていた。いや、アメリカだけではない。今の日本のアベ様だって、同じ催眠効果を使っている。“消費して経済を豊かに、結婚して子供を産みなさい、新しい法律ができたから従ってください、とにかく政府に服従してください”、なのだ。エイリアンたちは甘い言葉で中産階級の人間を誘い、昇進、昇給させ、甘い汁を吸わせて自分たちの言いなりになる人間を増やしていく。気持ち悪くてとんでもないエイリアンに武闘家として孤軍奮闘する主人公ネイダ。黒人の友達フランクにも、とにかくサングラスをかけさせ、世の中のことを教えてやろうとするが、頑なに拒み続けるフランク。ここで7分にも及ぶケンカが始まるのだが、元レスラーでもあるネイダ役ロディ・パイパーの殴り合い+プロレス技が炸裂するのだ。バックドロップ、スープレックス、ラリアット・・・。賛否両論あるこの無駄とも思えるシーンですが、このシーンがあってこそ記憶に残る映画になったのだと感じます。
ホリーが勤めるケーブル54という胡散臭いテレビ局。ここがエイリアンのアジトだったのだが、多分、地球上のあらゆる地域に拠点があったに違いない。普通のアクション映画のような終盤だったけど、序盤からの高揚感は失われることがなかった。もっとシュールなエンディングだったら、5点じゃ足りないくらいだったかもしれません。
プロレスみたいな泥臭いアクション映画だと自分は感じてしまった...。この作品を好きな人には申し訳ないが...。
SFのカルト的なアクションぽい表現がもうちょっとあったんではないかと感じた...。
人気絶頂のラヴディ ロディ パイパーがボディースラムで大暴れ!
陰謀論に夢中なネトウヨさんや、トランプ支持の福音派の皆様のバイブル映画です。
公開当時の渋谷東宝以来の鑑賞となります。大スクリーンで堪能してきます。